
曖昧で美しい過去の記憶を歌うからこそ踊れる
――(笑)。そして、そんな“番”や“レイ”が収録されたEP『ツギハギ』が今年5月にリリースされました。このEPの1曲目“まわる”が、凄く印象的で。歌詞の中で〈曖昧〉という言葉がたくさん出てきますけど、メジャーから最初に出すEPの1曲目で、〈曖昧について歌う〉という態度が、凄くカラノアらしいなと思ったんです。
雄大「“まわる”は、ダンスとロックを混ぜた曲を作りたいと思って作り始めた曲なんですけど、〈踊れる曲〉をテーマにしたときに、僕としては抽象的な方が気持ちいいなと思ったんです(笑)。〈踊る〉以外に、あまり情報が入ってこないような作りがいいなと。歌詞もなるべくあやふやで、抽象的なものがいい。
そこから〈何を歌詞にしよう?〉と考えたときに、昔の記憶って曖昧だよなと思って。昔の記憶って曖昧で、フィルターがかかっているような美しさがある、そんなイメージが僕の中にあって。そこから、昔の記憶とラブソングを結び付けようっていうことで、結果的に壮大なラブソングになりました」
――“レイ”もそうですが、雄大さんにとって昔の記憶は曲になりやすいんですかね?
雄大「そう思います。美化されているのかわからないけど、綺麗なものだなって思います」

和楽器とデジタルを混ぜ、カラノアなりのサムライを表現
――そしてこの度、新曲“ばけもん”がリリースされますが、この曲もアニメソングということで、“番”に引き続き夢が叶っていますね。“ばけもん”はTVアニメ「鎧真伝サムライトルーパー」の第2期エンディングテーマですが、制作はどのように進んでいきましたか?
雄大「アニメのチームと打ち合わせをさせてもらった時に、〈カラノアさんを出しちゃってください〉と言ってくださって、〈あ、いいんだ〉と思って(笑)。なので、かなり自由に作らせてもらいましたね。
〈サムライと言えばアッパーだよな。笛だよな、和太鼓だよな、刀だよな〉って感じでイメージを組み上げていきつつ、かなりストレートにカラノアなりのサムライを表現しました。ただ、それだけだと面白くないので、僕の中でサムライとは真逆にあるデジタルな音を入れて、和楽器とデジタルが混ざった世界観を作ろう、という感じで。あと、担当させていただくクールは暗い展開が多いんです。なので、歌詞面は、ダークさや寂しさを出すことは意識しましたね」
――そもそも「サムライトルーパー」という作品に対しては、雄大さんはどんな印象を持ちましたか?
雄大「作品の中に広告とかが出てくるんですけど、そういうキラキラしたものだけじゃない部分がしっかり描かれている作品だと感じました。ヒーローの裏側を覗き込むような生々しさが刺さる作品だなと思いましたね」
――樹さんとかずきさんは、“ばけもん”の制作にはどのように向き合われましたか?
樹「アニメが『サムライトルーパー』だし、曲も和をイメージさせるし、ベースもサムライ!って感じで(笑)」
雄大「その言い方、すげえ好き(笑)」
樹「誰にも伝わらないかもしれないけど(笑)、自分の中のサムライをベースで表現しました。エレクトロサムライを(笑)。
でも本当に、カラノアらしくもアニメに寄り添った曲ができたんじゃないかと思います。普通だったら、この世界観でエレクトロは混ぜないんじゃないかと思うけど、そういう部分にもカラノア節は出たんじゃないかなと思いますね」
――かずきさんはどうですか?
かずき「この曲はドラムが完全に打ち込みなんですけど、ライブでは生でやっちゃおうかなと思っていて。生と打ち込みとのハイブリッドというか。もうリハーサルはしているんですけど、かなりいい感じになっていますね。
歌詞も、韻の踏み方の部分にも雄大らしさは出ていると思うし、サビもキャッチーだし、大好きな曲ですね」