(左から)樹、雄大、かずき

昨年、エイベックス内のレーベル〈A.S.A.B〉からメジャーデビューした3人組バンド、カラノア。彼らの音楽には、彼らの音楽でしか感じられない体温のようなものがある。生々しく、泣き顔も笑い顔も混ざり合ったような、体温。音楽的に好奇心旺盛な彼らは、RADWIMPSなどの影響を感じさせるギターロックを出発点に起きながら、エレクトロやヒップホップなどをグングン飲み込み、今、ハイパーでポップなカラノアサンドを作り上げるに至っている。そのサウンドはときに強烈なテンションの高さを見せるが、そこには常に剥き出しの寂しさや怒り、焦燥、生活感情が零れ落ちる。TVアニメ「鎧真伝サムライトルーパー」の第2期エンディングテーマとして書き下ろされた新曲“ばけもん”も、そんな吸引力を持った曲だ。

今回、メンバー3人に、新曲“ばけもん”のこと、そしてメジャーデビュー以降の活動について話を聞いた。雄大が何度か語った「安心」という言葉が、彼らの音楽にとって、カラノアという存在にとって、とても大事なことに感じられて、強く心に残る取材だった。

カラノア 『ばけもん』 A.S.A.B(2026)

 

メジャーデビュー以降、ライブで感じる変化と成長

――カラノアは昨年9月にA.S.A.Bよりメジャーデビューしましたが、この約1年間を振り返ると、どんなことを感じますか?

雄大(ボーカル/ギター)「心境が大きく変わったわけではないんですけど、できることは増えたし、なによりチームとしてめちゃくちゃ強くなった期間だったなと思いますね。チーム内で話し合いをすることも増えたし」

樹(ベース)「ちょうどメジャーデビューしたくらいのタイミングから、〈今日のライブよかったね〉って言い合えるライブが増えてきたんですけど、それは雄大が言ったように、話し合いをするようになったことも大きいと思います。最近はライブが終わった後にそれぞれが振り返る時間を作るようにもなっているし、1年前よりもいいライブができるようになっている実感はありますね」

――樹さんはベーシストとして、どんな部分でライブにおける成長を感じていますか?

「具体的にどこが、っていうのはあまり思いつかないんですけど(笑)、でも、マインド面が大きいかなあ。〈どうライブに挑むか?〉という部分。そこは周りの人から見ても、良くなったと言われるんですよね」

――雄大さんはどう思いますか、ライブについて。

雄大「ああ~、頭がスッキリし始めた感じはしますね。余計なことを考えなくなったというか」

――前はもっと考え過ぎていたところがありますか?

雄大「そうなんですよね、前はもうグッチャグチャだったので」

「〈こうしないと〉みたいなことを考え過ぎていた部分はあったよね」

――かずきさんは、メジャーデビューから現在までを振り返って、どんなことを感じますか?

かずき(ドラムス)「雄大が言ったように、チームとしてプロ意識が一層強くなったと思います。〈みんなで成功するぞ!〉という気持ちもより一層強くなったし、ライブも1回1回しっかり反省会をするようにもなったし。

個人的な部分で言うと、前までは演奏で精一杯だったものが、最近は周りを見てアイコンタクトを取り合うことができるようになったり、お客さんの顔色を見ることができるようにもなったんですよね。そう思うと、前に比べて成長しているのかなって思いますね」

――お客さんの空気感も、バンドの空気が変わることで変化していると感じますか?

雄大「そうですね。もしくは、お客さんの雰囲気に自分たちが気づけるようになったのか。今まで見えていなかったものが見えるようになっているような感覚はあるんですよね」