R&B/ソウルの作法を丹念に咀嚼し、練られた曲構成と端正なアンサンブルを築いてきたHALLEY。高い評価を得てきたその音楽が、3人体制となったいま、次の形へと変化しつつある。新作EP『Born with Love Pt. 1』には、ソウル、ボサノバ、ファンク、ニュージャックスウィングまで異なる表情を持つ4曲が並ぶが、変化の核心はジャンルの広がりだけではない。〈いい音楽を作ること〉以上に、いま3人の間にあるムードや感情を共有しそこから音を立ち上げるような制作アプローチへと、作り方自体も変わってきたそうだ。EPのテーマは、〈愛〉。普遍的なテーマをあえて正面から掲げながら、HALLEYはいま、自分たちの音楽をもう一度、自分たちのものとして発見し直しているようだ。和気あいあいとした雰囲気の中、張太賢/Teh(ボーカル)、登山晴(ギター)、西山心(キーボード)に話を聞いた。
3人の情緒を共有して書いた曲と歌詞
――EP、驚きました。この4曲だけでもジャンルがバラバラで、チャレンジングなEPだなと思います。3人体制になって、曲の作り方は変わりましたか?
Teh「PCをいじる前の段階が変わったんじゃないかな。僕らは自分の家に集まってみんなでDTMするスタイルが一番多いんですけど、そこに入る前に〈次はどういう曲にしようか〉というより、〈今、自分たちにどういうムードがあるか〉を話すことが増えたんですよ」
西山心「そうだね。PCの前に座ってからの作業自体は、以前とそこまで変わらないかも。その前段階が変わった」
――これまでは、ある程度形になったデモを元にみんなで作り始めることが多かった?
Teh「そうですね。ループがあったり、僕が2、3セクション作っていたり。“Where I Belong”にも最初はループがありましたけど、メロディ以外は全部書き換えました」
――なぜ、3人で〈ムード〉を考えてから作る方法に変わったんでしょう?
西山「“Melodies”※がきっかけかも。あれは変化について歌った、少し重い題材の曲で。歌詞を3人で考えるには、〈この曲のテーマは何か〉〈最近、自分たちは何を考えているのか〉を話す必要があった」
Teh「歌詞はGoogleドキュメントを使って、今何が書かれているかを全員が見られるようにして。〈これはどういう意味なのか〉〈このセクションでは何を書きたいのか〉と話しながら進めたんです。
それまでは、歌詞の世界が僕一人のものでもよかった。でも“Melodies”は、3人が厳密に同じことを言わなくても、見ている方向を揃える必要があったんです。3人で演奏して、3人で歌う曲だから。そこで生まれたプロセスが、今回のEP制作のテンプレートになりました」
――3人で一緒に作る割合が増えたと。
Teh「うん、以前は僕が書き溜めていた歌詞をそのまま使うことも多かったです」
登山晴「当時は〈グッドミュージックを作らなきゃいけない〉ということに固執していた気がしていて。でも今は、〈僕たちは今こういうムードだから〉というのが自然に出てきて、それを3人で共有できるようになった。音楽そのものだけに集中して〈グッドミュージックを作る〉ことだけを考えていると、何のための音楽なのかが失われることがあるんですよね。
今回のEPでは、その曲がどんな色を帯び、どんな季節や感情を持っているのか。聴くとどこへ行きたくなり、何を思い出すのか。どんな場所や空間にあるのか――そこまで考えることで、楽曲制作のピントが合うようになったし、3人のピントも合いやすくなった。今回の曲には、どれにも広い意味での〈情緒〉が乗っているんですよ」
――歌詞にも、サウンドにも。
登山「最初は歌詞から始まった方法ですけど、今はトラックを作る時もテーマやムードを重視しています。
実は“Favorite Tea”も〈ボサノバを作ろう〉というところから始まったわけではなく、コード進行と〈なんとなくこういう歌がいい〉という種があって、この題材にはボサノバが合うんじゃないかと考えてそうなった。ただ、R&Bという枠組みに収めるのがHALLEYらしさではあるから、その中でボサノバをやろうとはなってます。今の我々の作り方がわかりやすく出ている曲だと思いますね」
――〈R&Bの体裁を守る〉という意識は、今も3人に共通しているんですね。
一同「ありますね」
Teh「HALLEYをひとつの概念として見ているところがあります。3人でやっていくとしても、これまでのものをなくそうとは思わないし、そもそもなくせないし。〈これはHALLEYとしてやるべきか〉〈HALLEYとしてかっこいいか〉という判断がある。僕個人がかっこいいと思っても、HALLEYとしてかっこ悪いならやらない。そういう見方を、それぞれがしている気がしますね。
たとえば、クラブミュージックへ軽々しく手を出すことはしない。ボサノバも、僕らにとっては結構勇気のいる試みだった。〈トラップもやってみようか〉と話したこともありますけど、〈もう少し勉強してからにしよう〉〈まだ早い〉という話になってやめた。R&Bと近いと言えど、簡単にやれるものではないので。
5人だった頃のコンフォートゾーンより、今の方が範囲自体は広がった気がするけれど、フットワークはまだ重いと思う。範疇が広がった結果が、今回の4曲なんだと思いますね」

イエベ/ブルベのムード、夏/冬の季節感
――人数が減ったことで、意思決定のスピードは速くなりました?
西山「それは速くなりました。5人のうち1人だけ意見が違うのと、3人のうち1人だけ違うのとでは、やっぱり全然違う。大胆なことを言いやすくなったんだと思いますね」
――5人の時だったら、「ボサノバをやろう」と言えなかった可能性もある?
Teh「言ってたかもしれないけど、空気は悪かったかも(笑)。誰か1人が提案した時、誰かはいい顔をしていないだろうな、という温度差はあったと思う」
登山「5人の中にいた当時の僕と、今の3人の中にいる僕でも違うと思うし。今なら、ボサノバという案が出た時の受け止め方も違う。今の体制になって、いろいろなアイデアが自然発生的に出てくるようになりました」
――先ほど出てきた〈ムード〉の話もなかなか抽象度の高いやり取りだと思うんですけど、そういう話ができるようになったのも3人になったからなのかもしれない。
Teh「それはありますね。例えば、サウンドのイメージをすり合わせていくのに、一昨日は〈イエベ/ブルベ〉みたいな言葉を使って話していたり(笑)。〈シリアスな感じの曲はブルベっぽいよね〉とか話してた」
登山「サウンドを少し変えたら〈イエベ秋っぽくなったんじゃない? いいね!〉って(笑)。最近はこういう話を延々としてます。
僕ら、二項対立で考えがちなんですよ。たとえばR&Bにも〈ベッドルームミュージック〉と呼ばれるものがありますけど、聴いた時の印象として、すごく閉鎖的で内向きに感じるものがある一方で、硬派なことをやっているのに万人が受け入れられる要素を持っているものもある。僕らは、それをなんとなく二項対立で区別して話していて。今作では、そういった話が多かった」
――今回が『Born with Love Pt. 1』ということは、Pt. 2も想定して作っている?
Teh「そうです。もう4曲揃ってて、これからレコーディングします」
登山「Pt. 1と2では、内容だけでなく、季節感やムードもかなり違います。バンド内ではもともと〈夏版/冬版〉と呼んでいて、『Pt. 1』が夏で『Pt. 2』が冬」
――3人になって、制作過程においても一体感や親密さが強くなった感じがしますね。共通言語が次々と作られているというか。
登山「どんどん作られてますね(笑)」
HALLEYにとっての“天体観測”を作る
――今日の話を聞いていてすごく納得したんですけど、HALLEYってこれまで凄く優秀で、R&Bやソウルというジャンルをとても丁寧なアプローチで現代風に解釈してやってきたじゃないですか。音楽的な完成度が高いし、とはいえここまで優秀だと、少し優等生すぎると感じる人もいるかもしれない。でも今回のEPには、その〈優等生っぽさ〉が少し薄れた印象があったんですね。バンドがリラックスして〈この4曲ができました〉と差し出すような力の抜け方がある。ムード重視やイエベ/ブルベ感覚みたいなところから作っていると聞いて、今作での変化が腑に落ちた気がします。
Teh「今まで、制作中に〈これだ〉と確信する経験というのがあまりなかったんですよ。もちろん昔の曲もかっこいいし、立派な曲だと思っていますけど、今回は作りながらふっと胸に来て、少しうるっとくる瞬間があった。それが初めてだったので、自分の中で音楽制作の定義が変わったような感じがある」
登山「ただ〈グッドミュージックを作る〉だけではなく、そこに自分たちの心の動きが宿るようになったのかも」
Teh「自分たちで作ってるのに、〈いい音楽に巡り会った〉みたいな経験をしてるよね」
――演奏がいきいきとしている。初っ端の“Stronger”のギターは凄いですね!
Teh「僕らとしては、〈自分たちなりの“天体観測”(BUMP OF CHICKEN)を作る〉みたいな気持ちもありました。周りから〈HALLEYの“天体観測”のような曲が聴きたい〉と言われることがあって、〈じゃあ、これが僕らのアンサーです〉と(笑)」
――フランク・オーシャンの“Super Rich Kids”のようでもあります。
Teh「そうですね、一番濃く出ているリファレンスかもしれません。グルーヴにも色濃く出ている。今回のEPから、制作チームへ作品について伝える説明書のようなドキュメントを作っていて、そこにも“Super Rich Kids”は載せていますね。細かく言えば、“Super Rich Kids”には16分音符が鳴る部分があって、“Stronger”にはそれがない」

R&Bの先達が〈何をやらなかったか〉も大事
――演奏だと、“Tokeau”の後半の展開も凄いことになっている(笑)。
西山「あれはドーパミン制作でしたね(笑)。〈ブレイクを作ろう〉と話していた時、ロバート・グラスパーの『Black Radio』に参加しているケイシー・ベンジャミンのようなフレーズをTehと僕が同時に歌ったんです。〈これだね?〉となって、あのセクションが急に生まれました。
その後、サポートドラムの(吉川)浩生が〈ライドとリムでやりたい〉と言ってくれて。最初は〈どういうこと?〉と思ったんですけど(笑)、いったんDAW上で形にして、実際に演奏してもらうと意図がわかってきた。普通ならブレイクと一緒に〈バーン!〉と行くところを、少しアンビエントにして、きゅっと締める。その方向へ行ったのは面白かった」
――なるほど。他の曲にも、いくつかリファレンスがあるんですか?
Teh「あります。“Favorite Tea”では、Friday Night Plansの“Miss Me?”もボサノバのリファレンスとしてありました。今回、自分の中では〈アジアンソウルをお送りします〉という感覚もあったんですよ。日本だけでなく韓国など、いろいろな国の曲を参照してます。あと、“Where I Belong”は、シックとデバージ、ブルーノ・マーズ、テヴィン・キャンベルの〈悪魔合体〉ですね(笑)」
――(笑)。ここで言っているリファレンスというのは、どういった参照をしているんですか?
Teh「最初から〈この曲をリファレンスに作ろう〉と決めるわけではなく、まず曲のタネがあって、〈ここからどちらへ進みたいのか〉を探す時に参照曲が出てくる感じです。演奏やアレンジを考えるためのリファレンスというか。
同時に、R&Bを大切にするからこそ、その〈お作法〉を勉強するものでもある。〈先生たちは何をしていたか〉だけでなく、〈何を禁則にしていたか〉〈何をやらなかったか〉が大事。〈左手ではここを弾かない〉〈このタイミングで右手を入れない〉〈こんなにジャカジャカ弾かない〉とか」
登山「結局、音楽が好きなんですよね」
Teh「まず、僕ら自身がリスナーであると」
エモさでなく実直さで向き合った多面的な〈愛〉
――歌詞の話も伺いたいです。今作はそもそも〈愛〉をテーマにしたEPですよね。英語詞が中心ですが、“Tokeau”には日本語詞が少し入っている。
Teh「最初は英語詞だったんですよ。〈話し合って解決する〉という意味の〈Talk it out〉が〈溶け合う〉に聞こえたので、仮題として“Tokeau”にしたのが始まり。結局、それ以上のタイトルが見つからず、そのまま残りました。
もうひとつ、この曲では、少し商業的な歌詞を書いてみようというテーマもあった。僕は今まで〈踊り明かそう〉みたいな、J-POPにありそうな歌詞をあまり書きたくなかったんです。自分自身、それほど踊る人でもないし(笑)。これまでは逆張りで〈自分はやらない〉と思っていたけど、今回はその逆張りをやめて、あえて書いてみようと。
ジョーダン・ウォードをはじめ、最近の前衛的なR&Bもリファレンスとして頭にありました。そういう音楽はこのタイプの歌詞との親和性が高いし、セクシュアルな部分もある。愛を語る時、性愛を語らない選択も違うと思ったんですよ。それなら“Tokeau”に合う、と書き進めました」
――その他にも、4曲でさまざまな愛の形が描かれています。
登山「〈多面的である〉という話はけっこうしたかな。〈Born with Love〉の前は、〈Every Shade of Love〉というタイトル案もあったんです。愛をさまざまな色から見る、という意味で」
西山「〈これはこの愛〉と別々に並べるのではなく、ひとつのものをこちら側から見て、次は反対側から見る。その考え方が歌詞だけでなく、プロダクション全体にもつながってます。4曲の印象が大きく異なるのも、多面的なものを音楽へ延長した結果だと思う」
登山「だからこそ、〈何でも愛として括らない〉ことも意識しました。いわゆる〈エモい話〉にはしたくなかった。MVやビジュアルを含め、音楽の外側ではなるべく〈エモ〉を排除しています。もちろん、愛の温かさまでなくすのは違う。でも〈エモい〉は、いろいろなものを一緒くたにしやすい感覚でもある。今回のテーマを扱ううえでは、そのチープさを避けることが必要だった。ジャケットも〈エモい〉と見られやすいものではなく、もっと実直さが伝わるものにしたかったですね」

ルーツが異なるバンドだからこその社会的意味
――〈愛〉は手垢のついたテーマでもあるからこそ、その受け取られ方まで話し合ったと。
登山「そうですね。そして、なぜ僕らがこのテーマを正面から扱うのか、という点も重要でした。
僕らはルーツがそれぞれ違うじゃないですか。僕は香港生まれで、日本国籍と香港の永住権を持っている。Tehは韓国生まれで、両親も韓国人。心は日本生まれ、日本育ち。異なるバックグラウンドを持つ3人が、政治的な行為としてではなく、同じ方向を向いて制作している。それ自体が、ある意味では稀有なことだと思うんですよ。
だから、そういう集団が〈愛〉のような普遍的なテーマを語ることには、重みがあるんじゃないか。考え抜いたうえで語る価値があると思い、あえて正面突破した」
Teh「今の時代に必要なことだと思ってるよね」
――この3人だからこそ、それぞれのルーツも含めて伝えられる愛がある。
登山「これを個人として語るのとは、重みも意味も変わる気がします。異なる出自を持つ3人が、同じ方向を向いて愛について語る。そこには意味があると思っているから」
Teh「3人って、物事において〈政治〉が発生する最小単位らしいんですよね。……政治的な意図はないと言ったのに、うっかり政治と言っちゃいましたけど(笑)。
でも、3人が生きてきた人生が違うからこそ、音楽的にも哲学的にも伝えられる幅が広い。HALLEYは、いろいろな背景を持つ人や、人生の中で苦しんできた人のことも受け止められるバンドだと思っています。この音楽も、そういうものになれる。もちろん聴き方は自由だし、重く考えず楽しんでもらっていい。でも、自分たちの持つ可能性としては、そのぐらい真面目に音楽をやっていきたいです」
――国が違うと文化的コードも違うから、色の捉え方ひとつでも、国や文化、地域、言語によって認識の仕方が異なります。さっきの話じゃないですけど、違う背景を持つ3人が「これはブルべ夏」「これはイエベ春」と感覚を共有しながら作っていること自体が、すごく稀有なことに思えますね。
登山「確かに。でもそれが、政治的な意図があって始めたわけではなく、結局はそれぞれが楽しくてやっているだけなんですよね。だからこそ、そこに結果として社会的な意味や価値が生まれる気がしていて。〈世界平和のために〉という大義名分で始めたと言えば、それは嘘になるから。好きな音楽が近い人たちが集まっただけというか」
Teh「今回のEPは、これから先もっと多くの人に聴いてもらって出自まで辿られた時に、僕らの存在は何かを考えさせるものになるんじゃないかな。場合によっては、僕たちを批判する人も出てくるかもしれない。そういう運命を持って生まれた3人が一緒に音楽をやっているという意味では、ある程度の覚悟はあります。
同時に、〈それでも勝手にやっているだけ〉という感覚もある。その塩梅なのかな。誰かを説得したいわけではないけど、共感してもらえたら嬉しいし、音楽について〈ここ、いいよね〉ともっと大勢で話せたらいい」
――そういった作品を作る中では、メンバー間で音楽以外の会話も増えたんじゃないですか?
Teh「めちゃくちゃ増えました。愛について話すようになってから、お互いをじっくり見る機会も増えた」
西山「1対1で話したり、〈小学生や中学生の時は、どんな人だった?〉って聞いたり。ご飯を食べながら話す修学旅行みたいな感じで(笑)。恋愛経験も含め、どういう人生を歩んできたのかを話しましたね」
登山「異なる出自を持つ3人が愛について語るなら、その違いを深掘りしないことには始まらない。僕は香港の日本人学校で育ったので、日本で育った2人とは学校のシステムも違う。〈なぜ日本へ来たの?〉というところから話すこともあったし」
――5人の時には、あまりしなかった話ですか?
登山「うん、知っているつもりであえて深掘りはしてなかったかも。当時は友達として、その人を知るために話していた。でも今回は、過去の体験が今の人格や感情の形成にどうつながっているかまで、制作を通じて見えた気がしますね。〈だから彼は今こうなんだ〉〈だから自分はこうなんだ〉とつながっていく。実際には重い雰囲気ではなく、わちゃわちゃ話してるだけなんですけど」
――バンドは何度も生まれ変われるものだと思います。HALLEYは今まさに、その最中なのかもしれない。
登山「というか。数か月ごとに生まれ変わっている気がしますね」
――3人は、いい音楽を見つけるとすぐメンバー間で共有するんですか?
登山「意外と、普段はそこまでしないかも。ものすごく感動した曲は共有します。最近では、夏休みに小笠原へ行って、小笠原民謡に感動したので聴いてもらいました。
日頃から共有用のプレイリストがあるわけではなく、制作に向けて聴かせ合うことの方が多いですね。アジアのバンドは結構みんなで聴きました。Sunset RollercoasterやHYUKOH、wave to earthとか」
〈生産者が見える〉演奏が大切
――最後にライブの話も聞きたいです。今回のEPは、ライブで演奏することをイメージしながら作ったんですか?
西山「自分はなかったな。どんどんなくなってきている」
Teh「僕も、むしろその意識がどんどんなくなっている。ただ、〈人が演奏している感じ〉はすごく気にしてますね」
西山「生産者が見えるアレンジね(笑)」
Teh「DAWでは楽器ごとにアイコンを設定できるので、僕らは自分たちの顔写真を貼ってるんですよ。〈これは誰が鳴らしている音なのか〉が見える状態で作ってる。
実際には鍵盤が3枚重なるようなこともありますけど、大きく分けて〈キーボードセクション〉と〈ギターセクション〉が、1人のプレイヤーの中に収まっているかどうかは意識します。〈5人以上が鳴らしている音楽だ〉と感じた瞬間に、やらない方がいいと思うことがある。同時に弾けるかというプレイヤビリティというより、〈1人の人間が鳴らしているものとして収まっているか〉〈その人が自然に演奏している姿を想像できるか〉が大切なので。ライブを意識してはいるけれど、〈ライブでどう演奏するか〉を基準に作ってはいない」
――現在のサポートメンバーとの関係も、以前とは変わりましたか?
登山「ベース(佐藤利基)とドラムの2人は、かなり面白くて一癖も二癖もあるし、僕ら3人ともすごく似ている。立場としてはサポートですけど、あまりサポートメンバーという感覚はないですね」
西山「“Tokeau”のアレンジでもドラマーから意見を出してくれたし」
Teh「ベースも〈それは絶対かっこよくないと思う〉とか言ってくる(笑)」
登山「“Stronger”では最初、音楽的な言葉でいろいろ説明していたんですけど、それより〈巨人が歩いているように叩いてほしい〉と言ったらすごくいいプレイになったりして。もともと友達や後輩だったので、距離も近いんですよ。新曲ができるたびに送ってます」
Teh「MVの制作チームも含め、みんな同じDiscordに入っていて、そこで〈新曲できたよ〉〈これ、みんなの曲だよ〉と共有する。楽しいですね」
RELEASE INFORMATION
リリース日:2026年9月4日(金)
TRACKLIST
1. Stronger
2. Favorite Tea
3. Tokeau
4. Where I Belong
LIVE INFORMATION
Born with Love Tour 2026
2026年11月19日(木)東京・代官山 SPACE ODD
2026年11月26日(木)大阪・心斎橋 CONPASS
開場/開演:18:15/19:00
前売り/U-23:4,500円+1D/3,500円+1D
販売中
チケット購入:http://eplus.jp/halley/
PROFILE: HALLEY
Teh(ボーカル)、登山晴(ギター)、西山心(キーボード)からなる、東京を拠点に活動する〈アジアンソウル〉バンド。2021年5月、早稲田大学のThe Naleioでの出会いをきっかけに結成。ジャズ、R&B、ソウル、ゴスペル、ファンクなどの影響を強く受け、ポップスでありながらもブラックミュージックの文脈を感じさせる音像が特徴。次世代アジアンソウルの旗手。2024年3月、1stアルバム『From Dusk Till Dawn』をリリースし、2025年にASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文(Gotch)主催の〈APPLE VINEGAR MUSIC AWARD 2025〉へノミネートされたことをはじめ、Rolling StoneやSpincoasterなどの音楽誌でも支持を集める。米テキサス州で開催された〈SXSW 2024〉に出演。2025年3月、オーディションを勝ち抜き台湾・台中で開催された〈赤聲躁動 CARNIVAL FEVER 2025〉に出演し、第3位を獲得。同年12月に香港で開催された〈在地 UN.EARTH 萌生 Clockenflap 前夜祭 presented by UN.TOMORROW feat. New Action!〉に出演。さらに香港のシンガーソングライターmoon tangの来日公演においてバックバンドを務めるなど、国内外での精力的なライブ活動で注目を集める。2025年末、新体制へ移行し、デジタルシングル”Melodies”およびBLUETAPEによるMVとともにトリオとしての活動が幕を開けた。
