人気ピアニスト、ロベルト・フォンセカと話題のヴォーカリスト、ファトゥマタ・ジャワタがコラボした2014年ジャズフェスのライヴ・レコーディング。ライヴならではの、ゆったりとした構成に耳が緩む。チャチャにのって歌っているこの言葉はいったい何語なのだろうか。不思議な雰囲気が漂う。熱すぎず、緩すぎず。一気に沸点まで駆け上がらない、いつもとは多少流儀の違う段取りならではの空気感がいい。3曲目《Yemaya》にこのコンビの神髄を聴いた気がする。アフリカとキューバ、やはり何はともあれリズムだが、音楽に“繊細な早さ”があるとすればこの曲のこの演奏にはそれがある。

【参考動画】ロベルト・フォンセカとファトゥマタ・ジャワタによる2014年のパフォーマンス映像