静寂を生み出す歌声。砂漠の闇をまとうベース。人知れず燃え盛る焚き火のような躍動を感じさせるパーカッション。そしてかすかな哀愁と前向きな力強さを感じさせるギター。スーダンの伝統的ハチロクリズムにジャズ、ソウルのテイストを加えウードやダルブッカなどアラブの伝統楽器を取り入れたサウンドはアフリカでもアラブでもヨーロッパでもなく、その全てが混在する無二の音であり、生まれ育った地イタリアから両親の祖国、激動の地スーダンに捧げる熱く深い〈祈り〉を想わせる。コアなリスナーを驚愕させた前作以上に研ぎ澄まされた静謐な世界が広がるアミーラ・ヘイルの二作目。