ジェシーがデス・フロム・アバヴ1979を復活したので、彼がプロデューサーのアル・Pと組むマスタークラフトの活動も終了か……と思われたが、7年ぶりのアルバムが突如お目見え。パンク出身の彼らがワイワイ盛り上がるためだけのフェス仕様なEDMに迎合するはずもなく、スネアが暴れまくる冒頭曲から、ブリブリの低音と変則ビートのロッキン・>エレクトロな波状攻撃で、リスナーの鼓膜をブチ抜いてくる。また、ジョン・レジェンドらの参加でも話題を呼んだ前作と同様、今回もゲストの強烈な〈声〉が躍動。ビッグ・ブラック・デルタことジョナサン・ベイツや、GSLのオーナーでもあるサニー・ケイの存在感に圧倒されつつ、とりわけイアン・スヴェノニアス(ネイション・オブ・ユリシーズ)の悪魔のような囁きヴォイスには背筋が凍った。さらに、コンヴァージのジェイコブ・バノン客演曲も大きなサプライズ。臨界点を超えたその叫びは、このコンビの反骨精神を浮き彫りにしている。