believe once again――デビューから5周年、エモーショナルに突き進んできた彼女たちが飛び込む〈第2章〉。そこには何が待っている? いま5人はどこにいる?
ここからが第2章
「ベイビーレイズJAPANに改名した直後は、私たちもいままでの曲をどう伝えればいいのかわからなくなってしまったんです。でも、その後に〈EMOTIONAL IDOROCK〉という自分たちの指針を発表して、(林)愛夏ちゃんが金髪にしたり、それぞれの決意を持ってベイビーレイズJAPANとしての活動を行ってきて。JAPANになってからは自分たちでライヴのセットリストや演出にも携わるようになったし、主体性を持って活動していくことでメンバーそれぞれが成長できた3年だったので、いまは改名して良かったと思います」。
これまでの歩みをそう振り返るのはリーダーの傳谷英里香。2012年9月にベイビーレイズとしてデビューしてから5年、2014年12月の日本武道館公演にて改名を発表して以降も、メンバーの増減もなく最初からずっと同じ5人で走り続けてきたのが、彼女たちベイビーレイズJAPANというグループだ。
「たまにみんなの形が壊れかけることがあっても、それぞれが強い気持ちを持って支え合ってきたから、5年経ってもちゃんと5人がここにいるというのは感じますね」(林 愛夏)。
「もし、いま〈レベルアップのために新メンバーを加えましょう〉って言われても、考えられないよね? 5年やってきて、それぞれが自分の立ち位置とかキャラを確立してきたので、ベビレにもう空いてるスペースはないです(笑)」(大矢梨華子)。
そんな結束を誇る彼女たちだからこそ、「ここからがベイビーレイズJAPAN〈第2章〉のスタート」(傳谷)だという今回の新作『THE BRJ』を、自分たちの絆とファンへの想いの結晶に仕上げることができたのだろう。5人の5周年を祝して5つの新曲を収めた初めてのミニ・アルバムは、〈そう何度でも〉というリフレインから〈僕は歌う〉に帰結するサビが胸熱なロック・ナンバー“何度でも”で幕を開ける。続くファンキーな夏ソング“くびったけエンジョイサマー!”では恋に憧れる女の子の心情を賑やかに歌い、ヴァラエティー番組「浅草ベビ9」も好評な彼女たちのコミカルな一面を垣間見せたりも。
「私は夏が好きなので、この曲を聴くと〈夏だ!〉ってなります(笑)。テンポとか歌詞も可愛くて、夢オチで結局は幸せになれないところも楽しいですね。来年の夏もめっちゃ歌いたいです(笑)」(高見奈央)。
一方、鶴が楽曲提供/演奏したミディアム“スパイラル”では、ベビレとファンのお互いが支え合う関係を〈幸せのスパイラル〉になぞらえて感謝の気持ちへと昇華。さらにKuboty(TOTALFAT)提供の激走パンク“アンチヒーロー”では、メンバーの渡邊璃生がかねてからの念願だったという作詞に初挑戦し(児玉雨子との共作)、夢に向かってもがく人々の気持ちを掬い取ってみせる。
「人ってみんながみんなヒーローみたいに強かったりカッコ良かったりするわけじゃないし、私を含め周りにもそういう人がいっぱいいるから、そんな人たちのことを考えて歌詞を書きました。〈人は誰でもアンチヒーローなんだよ〉っていう。それが結果的にベビレらしくなったと思います」(渡邊璃生)。
めちゃめちゃ自信あります
そんな『THE BRJ』のラストを飾るのが、初めて彼女たち自身の発案で制作されたという“僕らはここにいる”。メンバーたちの思いをまとめて形にしたのは、ベビレをデビュー時から支えてきたコンポーザー/ベーシストの堀江晶太だ。
「この曲に関しては世界観から歌詞まで、すべて自分たちでイチからこういう曲にしたいというのを伝えて作ったんです。デビュー当時からずっと私たちを見てくれて、バック・バンドとしても私たちの背中をずっと見てくれていた堀江さんじゃないと、この曲はできなかったと思います」(傳谷)。
「演奏してくださってるミュージシャンの皆さんも全員武道館の頃からバックで弾いてくださってる方たちで、みんなの思いがギュッと詰まってるから、最近私たちのことを知った方でもこの一曲を聴くだけで、感覚的にパッと5年間のベビレが見えるんじゃないかなって……いえ、見せたい……見せるぞ!と思いながら作りました(笑)」(林)。
5人の歌声とバンドが一丸となって突き進むサウンドはエモーショナル極まりなく、中盤に挿まれる高見の鋭いラップ、後半の〈歓喜の歌〉のように響き渡るコーラス、終盤における林の絶唱と、ギアを次々と上げるように展開。〈ここ〉という場所からいつまでも歌を届けていく信念を表した歌詞も熱く、同じく堀江のペンによるライヴでのアンセム“夜明け Brand New Days”に通じる、尋常ならざる高まりを与えてくれる。
「〈夜明け〉を継ぐような曲というのは、めちゃくちゃ意識しました(笑)。振り付けにもたくさんの意味があって、(手のひらを広げて)見上げるところは、いままで歩んできた5年間と5人のメンバーを表していて、(5本の指を)大切に見ながらパフォーマンスしてるんですよ」(大矢)。
「先日初披露した時は、まだ歌詞も公開してなくてすべてが伝わりきっていないはずなのに、泣いてくださる方がたくさんいたんです。鳴り止まない拍手をいただいて自分たちでもすごく感動しましたし、その空間が幸せでした」(傳谷)。
そのように新たな代表曲となるであろう一曲も生み出し、「〈これぞベイビーレイズJAPAN〉という作品ができて、めちゃめちゃ自信あります!」(傳谷)と語る彼女たち。だが、同時に本作はベビレにとっての第2章の始まりに過ぎず、5人は早くもその先を見据えているようだ。
「第2章はまた怒涛の日々が待ってそうですけど(笑)。この1年で結果を残して来年に繋げたいと思ってるので、まずはライヴで新しい曲を届けたいです」(傳谷)。
「最近は地方のいろんな場所になかなか行けていなかったりもするので、早くツアーしたい! おいしいものも食べられるしね(笑)」(大矢)。
『THE BRJ』を支えた作家陣を簡単に紹介!!
本文にもあるようにベビレの5年を見守ってきた作家の筆頭といえば、ライヴもサポートする堀江晶太の名が挙がるだろう。デビュー曲“ベイビーレイズ”を塚本けむ名義で手掛けて以来、シングルや件の“夜明け Brand New Days”のほか、“シンデレラじゃいられない”など要所で〈EMOTIONAL IDOROCK〉を示す楽曲を提供してきた。『THE BRJ』では“僕らはここにいる”を書き下ろし、演奏には彼の属するPENGUIN RESEARCHから神田ジョン(ギター)、新保恵大(ドラムス)も参加している。
また、今回“スパイラル”を手掛けた鶴もベビレ作品に欠かせないバンドだ。主に詞曲を秋野温(ギター)が書いてバンドで編曲することが多く、もともとサード・シングル収録の“SMILE”(2013年)を発端に、翌年にはシングル表題曲“恋はパニック”を提供。以降はカップリングやアルバム曲を作ることが多く、ド派手な〈A面感〉はなくとも温かいタッチでベビレの歌世界を柔らかく広げる役割を果たしている。昨年のアルバムに書いた“少しだけ”も人間味に溢れる佳曲だった。
さらに今回“アンチヒーロー”を作編曲してソロも披露したTOTALFATのKubotyは2013年のシングル“ベイビーアンビシャス!”からの縁。同曲に関わった作詞家の児玉雨子や、“何度でも”を編曲したtatsuo(ゴールデンボンバー、Acid Black Cherry他)は今年のシングルからの続投だし、一方で三好啓太は今回の“くびったけエンジョイサマー!”が初顔合わせ。かように多様な面々の援護を受け、ベビレの音世界はさらに強固になっていくのだ。 *轟ひろみ
関連盤を紹介。
ベビレの熱い5年間をリリース史で振り返ってみよう!
この時点ではまだベイビーレイズ名義。2012年のデビュー曲からシングル7枚を経て完成させた初のアルバム。ニューロティカやGOING UNDER GROUND、怒髪天など豪華なバンドのメンバーたちが腕を競った特盛り級の内容に。
日本武道館でのワンマンへ向かうタイミングに勢いを付けた、Wiennersの玉屋2060%によるコミカルでアッパーな爆走シングル。鶴による“ハッピーエンドレス”や磯部正文の起用などカップリングも充実!
ヴィジュアル面も一新して臨んだ〈JAPAN〉改名後の初シングル。玉屋2060%の詞曲による表題曲もいいが、武道館以降の心境を映したカップリング“夜明け Brand New Days”が何より大きく育った。
FoZZtoneの渡會将士を初起用して、いままでとはひと味違うオールディーズ調のロックンロールを披露したシングル。カップリングの“Pondering”は個々のシアトリカルな歌唱が勇ましく響く好曲。
堀江晶太による青春チューンで初のオリコンデイリー1位に輝いたシングル。カップリングにGOOD4NOTHINGのU-tanを起用したほか、山崎あおい詞曲のアコースティックな“ストレス”が優しい聴き心地。
引き続き堀江が手掛けた表題曲は、明快なメロディーラインに乗せてエモーションを轟かせる極めてストレートなラウド・ナンバー。リアクション ザ ブッタによる“デイズ”の大らかなノリも温かい。
半数が書き下ろしのセカンド・アルバム。ライヴ映えする直情的なシングル曲が並ぶこともあってか、傳谷の活躍する“Baby Kiss”や賑々しい“真夏のフィーバー!”など、あえてアイドル性を補完したようなバランスも光る。
今年最初のシングル。いつも以上に激しい演奏ながら歌詞はスマホ画面のバキバキをテーマにしたもの。玉屋2060%による“2years”は武道館公演の折に販売された会場限定シングルだった思い出の曲だ。
前シングル収録の“よきよき”に続いてAKIRASTARが作曲/編曲に関わった現時点での最新シングル。ややデジロック風の“Silence Nonsense Sigh”、歌謡曲っぽいメロの強さが効いた“涙のち晴れ”も熱い。









