I FEEL FINE!
再始動して絶好調のモノクローム・セットが、結成40周年目に仕掛ける新たなサプライズ!

THE MONOCHROME SET Maisieworld Tapete/BIG NOTHING(2018)

 ここ数年のモノクローム・セットは絶好調だ。17年ぶりとなった2012年の復活盤『Platinum Coils』以来、2年と置かずにアルバムを出し続ける創作意欲といい、楽曲の充実ぶりといい、今年で結成40周年を迎えるバンドとは思えない狂い咲き状態である。キッチュなジャケが目を引く今回の『Maisieworld』も然り。妖しげなオルガンやホーン・セクションが醸す猥雑でビザールな空気と、バンジョーが軽やかに響く牧歌的でノスタルジックなテイストが違和感なく同居していて、近作の中ではもっとも賑やかなガジェット感覚に溢れたギター・ポップを聴かせてくれる。ビドのヴォーカルは相変わらず酔狂ながら、年輪を重ねたぶんだけ芳醇さと艶気が増し、ぬる燗的な魅力を発揮しているのも良い。

 

THE MONOCHROME SET 1979-1985:Complete Recordings Tapete/BIG NOTHING(2018)

 そんな新作の発表に合わせ、彼らの第1期にあたる85年までの音源を総括したボックス・セット『1979-1985 Complete Recordings』もお目見え。名盤の誉れ高い初期4枚のアルバムに、同時期の全シングルを加えた6枚組という特盛りっぷりで、40周年を飾るに相応しい豪華なお宝箱である。〈モノクローム・イヤー〉とも呼ぶべき2018年、これからのサプライズにもぜひ期待したいところだ。