ノルウェーの鬼才トランペッター、ニルス・ペッター・モルヴェルが、あのスライ&ロビーとコラボ。一見異色のこのコラボだが、恐ろしいほどに完成されたその世界観に必然性を感じずにはいられない。音数を極力まで抑えて説得力のある一音を繰り出すモルヴェルのミュートされたトランペットが、サイケデリックなサウンドと極上のリズムによってある種の神聖な空気感をもたらし、聴けば聴くほどそのサウンドの深みに引き込まれていく。様々なジャンルへ接近していった70年代以降のマイルス・デイヴィスのように、ジャズの新たな可能性を提示する一枚。
レゲエ界を代表するリズム隊のスライ&ロビーと、ノルウェーのトランペッターであるニルス・ペッター・モルヴェルという異色の組み合わせ。ニルスは以前もモーリッツィオとコラボしていて、レゲエ/ダブへの興味は相当ある模様。アンビエントでアヴァンギャルドなニルスの世界観にスラロビのタフなリズムが溶け込んだ形で、霧に包まれた音像の奥でトランペットが妖しく鳴り響く。ヴラディスラヴ・ディレイの参加も効果的。