80年代のマイルスやウェザー・リポートの作品に名を連ねたフランス人パーカッショニスト、ミノ・シネルと尖鋭的な表現を続ける北欧ジャズの代表格トランペッター、ニルス・ペッター・モルヴェルのデュオ。それぞれのルーツ、ノルウェーはスーラとマルティニークはマディアーナの地名を冠したタイトル。2020年に亡くなったマヌ・ディバンゴ、トニー・アレン、そしてジミー・コブに捧げられた楽曲が並び、その音像は北欧の透明感と洗練された中南米~アフリカを通過したエッセンスの絶妙に交差するポイントを抽出してユニークかつ孤高だ。喪失感はルーツを振り返る機会を得、稀有な作品を生み出した。