『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』の巨匠アレハンドロ・ホドロフスキーの88歳の最新作。前作『リアリティのダンス』の続編にあたる 〈青年期〉 を扱った自伝的な作品。恋愛や友情、父親との葛藤、自身の才能と将来への焦燥と不安など、ホドロフスキー史上最も〈スタンダード〉で普遍的な物語世界と、ホドロフスキーらしい個性的で魅力的な人物造形やマジックリアリズム的な演出が合致した若々しい傑作に仕上がった。 見る前は相性が懸念された初期ウォン・カーウァイ作品でお馴染みの撮影監督クリストファー・ドイルの起用(鮮烈な色彩設計!)もバッチリ。ホドロフスキー監督の入門篇としても実は最適な一作。