ジョン・ゾーンを師匠に持ち、ネッド・ローゼンバーグにも師事していたサックス奏者の吉田野乃子が、札幌の気鋭ミューシャンと共にバンドを新たに結成しファースト・アルバムをリリースした。彼女のこれまでの経歴から想像できる通りアヴァン/フリー・ジャズを土台に演奏される楽曲は、ジャズ・ロックやプログレ、心地よいムーディーな音色なども内包して不分明だ。おまけに巧みな演奏技術を用いて、曲中での予測不可能な急展開や変拍子も決めてみせ、聴き手に全く気を抜かせない作りは面白いの一言。メロウなギターとキーボードを、鋭いブロウで切り刻む“Moldy Coffee Lighter”の格好良さに痺れた!