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果たして彼は迷宮から無事に生還できたのか!? 音楽ライター(50歳)のアルスマグナのライヴ初体験記

果たして彼は迷宮から無事に生還できたのか!? 音楽ライター(50歳)のアルスマグナのライヴ初体験記

果たして彼は迷宮から無事に生還できたのか!? 音楽ライター(50歳)のアルスマグナのライヴ初体験記

昨年の話になるが、年末近くにアルスマグナのLIVE TOUR 2018〈龍煌祭~学園の7不思議を追え!~〉に参加した。11月25日のZepp DiverCity(TOKYO)だ。彼らを観るのは初めてで、予備知識もほとんど無かった。

仕事として引き受けたはいいが正直、開演までは〈紛れ込んじゃった感〉が半端なかった。メイト(アルスマグナのファン)の熱圧も凄い。〈何このおじさん?〉的に完全に訝しがられている。その視線は痛いほどだ。とりあえず一生懸命、〈仕事で来ています〉感を出してみる。

 

この日、赴いた任務は、2.5次元コスプレダンスユニットであり、2016年、17年と2年連続日本武道館公演を成功させた彼らの、その全国的人気の秘密と実力を探ること。加え、こんなおじさんでも最後までキチンと楽しむことが出来るものなのか?にあった。その為に若干ながら予習も行ってきた。CDのブックレットに今回のこの公演のイントロデュースが記されており、ここまでのプロローグはしっかりと把握し、いざ挑んだ。

 

開演直後から私立九瓏ノ主学園の学園祭のシーンに誘われる。と同時にメンバーと共に我々にも一緒に七不思議を解いていく使命が課せられる。

ストーリー展開がしっかりとしており、その時々で楽曲がインサートされていく彼らのライヴ。とは言え、そこには目まぐるしさは全くなく、ストーリーをキチンと追え、脱線しつつも本題に入った時にそれが伏線になっていく妙には感心すら覚えた。また、ミュージカルとしての突飛性もあえて薄くする配慮が成され、歌とダンスや演劇との独立性と融合と流れ、その辺りはかなり練られている感があった。

 

この日のオープニングは、君だけの王子様になることを誓った“永遠シンデレラ”が飾った。続いて、君なしなんてありえないとのたまらないフレーズが場内をメロメロにさせた“ひみつをちょーだい”で場内を次々と吸心していく。 

前半は謎を探る場面場面での芝居シーンを中心に、各人のソロ曲が続けて贈られた。チアガールも現れ、メイトが作り出す緑のサイリュームの海原の中、女性アイドルに扮した朴ウィトが歌った“Ready to Dance”。“フェスティバル・オブ・テラー”では、九瓏ケントと泉奏によるオペラ風の歌唱や舞踏会の雰囲気が楽しめ、切なさを交えた“記憶ノスタルジア”では神生アキラがアルスロイドとのデュエットを披露。榊原タツキとコンスタンティン(ぬいぐるみ)に至ってはワルツ風の“ふたりはミルクティー~& You too love~”を楽しませてくれた。

対して中盤以降はメンバー全員による楽曲が並んだ。ハイパーユーロビート&パラパラ風の“たまんねぇぜBABY!”を始め、5人が並びマイクスタンドにて歌った“君こそマイ☆アイドル”、君に届けとばかりに歌われた“Anyway, Sing!”が各人一体となり歌い放たれていく。

また後半のライヴパートに突入すると彼らの面目躍如。最新コスチュームに着替え、ボカロメドレーを経て、珍しい曲も交えた彼らの楽曲の魅力が矢継ぎ早に現れたメドレー、加えラストスパートは歌もダンスも白熱していき、更に場内をグイグイ惹き込んでいく。ビッグバンド風のサウンドも特徴的だった“カルチェ”、タオルの大旋回の絶景を生んだソカのナンバー“ボクはつづく”、フィナーレの“HIGH FIVE ~Type A.R.S~”では、用意されたランウェイで5人が歌い、合わせて会場も力一杯一緒に歌い共に楽曲を完成させた。

また、アンコールでは前向きで次に向かうかのようなナンバーが、メイトたちの明日のために次々に贈られた。Tシャツに着替え、アッパーなビートの上、キビキビとダンスを披露してくれた“フロリダ”。ダンサーも大勢登場し、再びタオル大旋回の壮観を生んだ“Eureka moment”。〈みんなとだったら険しい道でも楽しく渡っていけると思います〉との神生によるメイトとアルスをつなぐ力強いアライアンスを経て、最後は手渡しのプレゼントのように“果てなき道”が、これからも一緒に行こうと誘ってくれた。そこでは会場全体で楽曲を完成させていった場面も印象深い。

……と、我ながら芝居や物語に惹き込まれながらも、終始しっかりと楽しんで観ていたことが立証された、この日。とは言え反省点もあった。それはもっと事前に各メンバーのキャラクターを把握して参加すれば良かったところ。そうすれば絶対に一体感も含め、より楽しめたに違いない。

 

気づけば終演。魔法が解けたように我に返った。しっかりと熱心に一緒に参加し、がっつり魅入っていた証拠だ。とは言いつつも終演後、気になり〈アルスマグナ Zepp 怪しい おじさん〉で恐々エゴサ。結果、らしきものは見つからず安心した(笑)。

アルスマグナ アルスマグナ LIVE TOUR 2018 龍煌祭 ~学園の7不思議を追え!~ ユニバーサルミュージック(2019)

そしてこの度、あの日の模様が映像化される。同時多発で見逃していたシーンがキチンと全て把握できるのみならず、私のようなおじさんでも堂々と誰に気兼ねなく何度でも、自宅でも楽しむことが出来る、この日の映像作品化。あの多幸な時間が再び味わえると思うと……とは言え、一応は家族が寝静まってから楽しむことにしよう。

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