On-U作品に加え、スプーンやバンダ・ベア関連仕事など、相変わらず名前を見る機会は多いものの、ソロ・アルバムは13年ぶり。いつになくメロディアスで、特にエチオ・ジャズを想起させる哀感たっぷりの旋律が随所で際立っていることは、リー・ペリーやマーク・スチュワート、そして本作が最期の録音となったキース・ルブランの訃報も決して無関係じゃないはず。ブライアン・イーノら名手たちのサポートを得てバンド主体で音を組み立て、鋭利なノイズ加工は幾分控えめです。持ち前の越境感覚を披露しつつ、引き算の美学を追求するというダブの基本にも立ち返った素晴らしい一枚。
程よいペースでのリリースが続くと思ったら13年ぶり? 『Dub No Frontiers』やプロデュース作品を間に挟んでいるからか何かと名前を見ることが多い彼だが、個人名義としては13年ぶりとのこと。極度にレゲエ色やダブ色をひけらかす感じが無くなって落ち着いた良質なアルバムのリリースがずっと続いているが、本作も良い意味で期待を裏切らない腰の据わった素晴らしいアルバムに仕上がっている。リー・ペリーの『Heavy Rain』でも共演したブライアン・イーノも参加。基本は生楽器の演奏に重心の重いミックスが冴える。日本盤はボーナストラック付き。Tシャツ付きの限定盤も同時リリース。