〈難しいくちづけをしたなら 戻れないわ 簡単でいいの/温くて狭いユートピア 幸せだったわよね〉女性でもドキッとする妖艶な言葉選びは今作も健在。リード曲の“UTOPIA”は、〈幸せ〉が過去形で問われていても、切なさよりうっとりとした恍惚感が滲む。一度聴いたら忘れられない、切実で甘美な塩入冬湖(ヴォーカル/ギター)の歌声を、コシミズカヨのベースが優しく受け止める。なりふり構わず感情を振り回しているような“call end”は、疾走感たっぷりで、ライヴで盛り上がること間違いなし。初期曲の“天涯”に、“衛星”を加えたヴァラエティー豊かな4曲。FINLANDSらしさと、現在進行形の彼女たちの魅力がギュッとつまった至極のEPだ。