ビーチ・ポップ的なスタイルから大きく舵を切った5年ぶりの新作。練りに練った感のあるドリーミーなメロディーを〈インスタント〉とも形容できるシンプルな打ち込みのプロダクションでコーティングしており、キャッチーでいて軽やかすぎる音像の感触がおもしろい。90年代のポップ・レゲエめいたアプローチを取った楽曲が多いのも特色で、いまだ手つかずな領域の掘り起こしを試みているという意味でも新鮮な作品だ。