2015年のVP復帰盤『The Cure』以降もコンスタントにシングルを切って存在感を強めてきたキュア。客演なしの前作から一転、待望の新作はメラニー・フィオナやダミアン・マーリーら多数のゲストを招き、レーベル40周年の目玉作品に相応しい華やかさです。トラップを敷いたトリー・レインズ参加曲や気怠いトロピカル・ハウスなど今風のアプローチも見せつつ、基調となるのは誠実かつ実直な歌声で届けるワンドロップのルーツ・チューン。哀切バラードのタイムレスな美しさなんて流石としか言いようがありません。大先輩のヤミ・ボロ、ジュニア・リード、ケイプルトンとマイクを交わすラスト曲(ハーフ・パイントの早回しも最高!)を聴けば、彼の手に王冠が渡った事実を思い知らされるはず。今回も傑作。