前作ではガムランを取り入れて極彩色な音を奏でたが、新作は4人体制で原点回帰し、冒頭から奇声と絶叫でアクの強いOOIOOサウンドの洗礼を浴びせてくれる。シャーマニックで太古の音楽ともいえるバンドの演奏には、ポスト・ロックやアヴァン・ジャズ、ニュー・ウェーヴ、エスニックなど様々なムードや意匠が一見すると無秩序に存在するが、絶妙に絡み合い独自のグルーヴへと昇華され、聴き進める程に快楽の道へ。アルバム後半は長尺ナンバーが並んでヒプノティックな要素が強まり、解読不明な言語のヴォーカル、強力なドラムのプレイがクリスチャン・ヴァンデ率いるマグマを彷彿とさせ、独特の陶酔感を生み出す。