ロマンティックで甘美な響きのサウンド、そして囁くような深みのある低音ヴォイス。イタリアのSSWジョー・バルビエリ2年年振りとなる新作は、そんな彼のキャリア集大成とも言える素晴らしい内容だ。収録されている楽曲は2020年に制作されたもので、コロナ禍において自身を見つめ直しながら書かれたとのこと。交響曲にのめり込んでいたことが関係してか、曲によってオーケストラや弦楽四重奏団、クラリネット四重奏団が参加したシンフォニックなサウンドは、まるで自身の自伝映画のサウンドトラックかのよう。イタリアのジャズ・シーンの実力者たちによる隙のないアンサンブルも聴きどころ。