指揮者のジャン=バティスト・マリ。これまでドリーブのバレエ音楽「コッペリア」や「シルヴィア」、シャブリエのオーケストラ作品の録音しか耳にできなかった。彼の知られざるライブ録音が日本限定で発売された。この演奏はキレがあるリズムと気持ち良い呼吸感が特徴。それだけでなく弦楽器の深い濃密な音色は1960年代のフランスのオーケストラとは思えないもの。マリはチェロを弾いていたそうで、ヴァイオリンからコントラバスまで弦楽器を速すぎないテンポを維持してバランスよくと鳴らして演奏する技術は超一流のものと思う。フランス国立管弦楽団が持てる実力を思う存分発揮した稀有の名演。
ジャン=バティスト・マリ(Jean-Baptiste Mari)指揮『グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲、チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」』弦楽器の濃密な音色が魅力的な知られざるライブ録音が日本限定で
JEAN-BAPTISTE MARI , ORCHESTRE NATIONAL DE LA RADIODIFFUSION
『グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲、チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」』
Spectrum Sound
2021