ジャン=クロード・ヴァンデン・エインデン(1947~)は十代にして1964年エリザベート王妃国際音楽コンクールピアノ部門第3位入賞を果たし、〈天才〉と称えられたベルギーのピアニスト。その後1980年同コンクールヴァイオリン部門優勝者・堀米ゆず子との共演など室内楽で高く評価された。近年はコンクールの審査員としておなじみだが、75歳を前に新しいソロ録音が登場。シューマンの幻想曲、リストのピアノ・ソナタという大曲のカップリングでヴァンデン・エインデンはしなやかなタッチ、潤いのある情感表現を生かした多面的な色合いのある彫りの深い音楽を展開している。ヴェテラン健在を心から喜びたい。