川崎鷹也、初のメジャーオリジナルアルバム『カレンダー』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン〈別冊TOWER PLUS+〉を発行! ここでは中面に掲載されたインタヴューを掲載いたします! 別冊TOWER PLUS+は、タワーレコード全店にて12月14日(火)より配布中!
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川崎鷹也 『カレンダー』 ワーナー(2021)


2018年発表の“魔法の絨毯”が2020年にブレイク。2021年の音楽シーンを代表するアーティストの1人となった川崎鷹也。新たな名刺代わりとなるとともに、その未来にもつながる初のメジャーオリジナルアルバム『カレンダー』をリリース。2021年の心の疲れを忘れさせる〈幸せ〉が詰め込まれた本作の内側を川崎鷹也本人に語ってもらった。

2018年にリリースしたラブソング“魔法の絨毯”がSNSで拡散されたことをきっかけに大ヒット。地上波の音楽番組や大型イベントに出演するなど、瞬く間に2021年の音楽シーンを代表するアーティストに上り詰めた川崎鷹也。知名度の上昇とともに活動の状況も大きく広がっているが、曲作りに関しては、「歌ってる内容や世界観、スタンスはまったく変わってないですね」という。

「“魔法の絨毯”は2017年に書いた曲で。当時はなかなか届かず、歯がゆさ、悔しさもあったんですが、去年の夏からたくさんの方に聴いてもらえたことで、〈今までやってきたことは間違えてなかった〉と安心したところがあるんです。その後の曲に関しても、今まで通り、自分がいいと思うことを続ければいいと思えたんですよね」

シンガーソングライターとしての川崎の揺るぎないスタンスは、12月15日にリリースされるメジャーオリジナルアルバム『カレンダー』でもしっかりと貫かれている。表題曲“カレンダー”は、“魔法の絨毯”のアフターストーリーとも言える楽曲。2曲を通して描かれているのは、恋人時代の〈君〉への真っ直ぐな思いから、結婚し、家族になった〈君〉への深い愛だ。

「何気ない日常のなかにも幸せはあるはずだし、それに気付けるかどうかで、人生は大きく違ってくると思っていて。“カレンダー”の根底にある思いもそうで、愛しい人と会えることの大切さを歌っています。他の曲と同じように、この曲もアコギの弾き語りで作りました。今はチームで制作を進めていて、アレンジに関しても、みなさんと一緒に作っていけるのが楽しくて。〈みんなにもいい曲だと思ってほしい〉という気持ちが強くなったのは、以前と違うところからもしれないですね。曲が出来たら、奥さんにも聴いてもらっていて。あまり反応がよくなかったら、ボツにしたり、作り直すこともありますね(笑)」

弾き語りによる“あなたへ”も、パートナーに向けられた楽曲。個人的な思いから生まれたナンバーだが、〈昨日よりも今日、今日よりも明日、少しでも笑えたら、それだけで幸せ〉というメッセージには、なかなか先が見えない時代において、幅広い人の心に寄り添い、励ましてくれる普遍的な力が備わっている。

「誰でも悩みを抱えていると思うし、人に言われたひと言がずっと気になることもある。奥さんもそういうタイプだし、意地っ張りで、無理するところもあって。ちょっとでも気がラクになったらいいなと思って書いたのが、“あなたへ”なんです。彼女にはまだ言ってないですが(笑)」

長男が生まれたときの喜びや安堵、覚悟や怖さをストレートに描いた“ぼくのきもち”も印象的だ。当時、川崎は会社員とシンガーソングライターを何とか両立させていた状態だったという。

「子どもが生まれとき、子どものためにも音楽をやめて、会社の仕事をがんばろうかなと思ったんです、じつは。でも、奥さんにも、義父さんにも〈絶対やめちゃダメ〉と言われて、そこで音楽に対する気持ちがさらに強くなったんですよね。息子が生まれて4か月後に『魔法の絨毯』がヒットしはじめて。すごい人生だなって思いますね」

〈駆け抜けた日々も笑顔も汗も血も/道しるべになる〉という歌詞が心に響く“道しるべ”も必聴。この曲に込められた〈上手くいかない日々があっても、夢に向かって進み続けること自体が素晴らしい〉という思いは、彼自身の軌跡そのものだ。

「中学生のときに野球に明け暮れた日々、(シンガーソングライターとして)売れなかった時期のことを思い出しながら書いた曲ですね。決してきれいな道ではなかったし、恥ずかしさや悔しさも味わって。でも、今になって振り返ってみると、間違ってなかったなって。夢が叶うことのほうが少ないかもしれないけど、そこに向けて何をしたかが大事だと思うんですよね」

前田敦子主演のYouTubeドラマ「麺と千尋のヘイコウセカイ」のために書き下ろされた“ヘイコウセカイ”、“僕と僕”、朝日放送テレビのSDGsプロジェクト「アスミライプロジェクト」テーマ曲“明日未来”など、話題曲も満載。本作『カレンダー』によって、シンガーソングライター・川崎鷹也の歌はさらに奥深さを増していくことになりそうだ。

「これまでの音楽活動の集大成でもあるし、この先のステップにもつながるアルバムになったと思います。僕の歌を聴いて、少しでも〈がんばろう〉とか〈元気が出た〉と感じてもらえたら嬉しいですね。僕自身もいろんな歌に助けてもらってきたし、歌の力をずっと信じているので」