(左から)武部聡志、川崎鷹也

日本のポップシーンを代表するアーティストとフルオーケストラの共演――billboard classicsが手掛ける公演はクラシックと私たちの距離を縮め、音楽そのものの豊かさを教えてくれる。

編曲家・音楽プロデューサーの武部聡志がプロデュースするシリーズ〈Premium Orchestra Concert〉の第2弾が、2025年3月31日(月)に東京、4月3日(木)に兵庫にて開催される。第1弾の薬師丸ひろ子に続く今回は、シンガーソングライターの川崎鷹也を迎えてポップス × クラシックの新たな世界を生み出していく。

これまでに何度も共演し、互いを深く信頼し合っている川崎と武部は、フルオーケストラを率いてどのようなコンサートを目指しているのか。第1弾に続いて指揮・編曲を担当する岩城直也にも同席してもらいながら、二人に話を聞いた。


 

薬師丸ひろ子を迎えたbillboard classicsは至福の時間だった

――川崎さんはbillboard classicsに出演が決まったとき、率直にどう思われましたか?

川崎鷹也「第1回の薬師丸さんのステージを僕は客席から見ていたので、あのステージをやらせてもらえるんだという嬉しさと、ちゃんとライブが成り立つのかどうか、いろんな感情が入り乱れていました。でも一番に思ったことは、また武部さんとご一緒できて嬉しいっていう気持ちですね」

――武部さんは今年6月に薬師丸さんとbillboard classicsのステージを経験されています。振り返ってみて、改めてどのようなステージでしたか?

武部聡志「billboard classicsはポップスシーンで活躍するアーティストのファンの方々がオーケストラの豊かな音を聴く、とてもいいきっかけになると思うんですよ。僕は今までのキャリアの中であまりフルオーケストラと一緒に公演をしたことがなかったんですけど、薬師丸さんとご一緒したとき、自分でもすごく気持ちよく演奏できて至福の時間だったんですね。

それで、これをもっといろんな若いアーティストと一緒にやりたいなと思ったんです。そのとき、すごく大事に思っている、というのは少し上から目線かもしれないけど、鷹也のような才能溢れる若手を鷹也のファン以外の人にも紹介できる場としてbillboard classicsはいいんじゃないかなと思ったんです」

――真っ先に川崎さんが思い浮かんだのはなぜでしょう?

武部「薬師丸さんとはもう長い付き合いで、お互いにキャリアを積んだ者同士ですけど……2回目はフレッシュな人とやりたいとなったとき、僕がいま強力にお勧めできるのは誰だろうと考えたら〈あ、鷹也だ〉と思ったんです」

川崎「嬉しいです。その期待というか、愛みたいなものに僕はステージ上でお応えしたいなと思います。これまでも武部さんとはいろんなステージでご一緒させていただいていますが、一つ一つのステージがすごく楽しかったですし、毎回学ぶことが本当に多いんです。だから今回もまた学べる、また成長できるという気持ちが強いですね」