ブルッフとバーバーの協奏曲にヴォーン・ウィリアムズの“揚げひばり”を添えた、俊才の門出を飾る実にさわやかで美しい一枚。ベルゲン生まれでノルウェー人と日本人の両親をもつ彼女が、豊かな才能と締まった粘りのある魅力的な音を聴かせてくれる。真摯な語り口に若々しさが溢れるブルッフ、“揚げひばり”でのゆらめく情感を一音に託すような筆致が印象深い。甘美闊達な2つの楽章での歌心あるフレージング、プレストで技巧を開陳するバーバーも堂々たる弾きぶり。注目のマエストラ、タビタ・ベルグルンド、バーバーでのワイラースタイン(名手アリサの弟)、オスロ・フィルと清涼な音楽を創った若き俊才指揮者たちにも注目したい。
園子ミリアム・ヴェルデ(Sonoko Miriam Welde)『ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 他』ブルッフとバーバーの協奏曲にヴォーン・ウィリアムズ“揚げひばり”を添えた俊才の門出を飾る美しい一枚
SONOKO MIRIAM WELDE , TABITA BERGLUND , JOSHUA WEILERSTEIN , OSLO PHILHARMONIC ORCHESTRA
『ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番、ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス《揚げひばり》、バーバー:ヴァイオリン協奏曲 Op.14』
LAWO Classics
2021