digicoreシーンの注目アーティストlazydollがEP『#f5f6f7』をリリース　テーマは〈巡り続ける季節と、その渦中にある自己像〉

lazydollがEP『#f5f6f7』を本日12月25日にリリースした。

2018年から活動を続けているアーティスト、lazydoll。等身大で内省的なリリックが際立っているシンガー／ラッパーで、SoundCloudを舞台に近年盛り上がりを見せている〈digicore〉シーン^※で注目を集めてきた才能だ。

※2020年末頃から注目を集めるようになった、SoundCloudやDiscordを中心にする新興ジャンル／シーン。エモラップやエレクトロニックミュージックからの影響と過剰なエディットが特徴で、ハイパーポップ（hyperpop）の関連ジャンルとも見られているが、ハイパーポップのタグ付けに拒否感を抱くアーティストが多く、独自のカルチャーやシーンを築いている。代表的なアーティストはglaive、quinnなど。本作のプレスリリースを執筆したnamahogeによるFNMNLの記事〈【コラム】What is “digicore”?〉に詳しい

lazydollは、2022年9月にファーストアルバム『清算』をリリースしたばかり。同作の制作をきっかけに、本作を含めて、今後はトラックメイキング／プロダクションをみずからの手で行っていく意向だそうだ。

そんなlazydollの新作『#f5f6f7』のテーマは、プレスリリースによると、〈巡り続ける季節と、その渦中にある自己像。時間という不可逆に頭を抱えながら何度も背後を振り返る、自らの現在地を確かめるプロセスだ。そんな素朴で率直な葛藤は、ピュアなサイン波となってビートのグリッドを飛び交う〉とのこと。

EPには、ボーカロイドの初音ミクを起用した“8月32日 ft 初音ミク”のほか、dariacore^※のニュアンスがあるセルフカバー“(dont)forgettme”、ソフトウェアのギター音源で構築されたデジタルシューゲイズナンバー“bloom”など、lazydollのスキルフルなプロダクションが詰め込まれた楽曲が収められている。

※EDMからの影響が顕著なサンプリングミュージックで、leroyというアーティストの楽曲をきっかけに、2021年にSoundCloudのハッシュタグから広まったミーム／ムーブメント。こちらもnamahogeによるAVYSSの記事〈dariacoreは（きっと）蘇る｜ネットミームとしてのサンプリング音楽考〉に詳しい