TOMCがニューEP『MORAL (Original Soundtrack)』を本日1月18日(水)にリリースした。

ビート&アンビエントプロデューサーで、Mikikiでも執筆をしてもらっているTOMC(トムシー)。2022年1月にアンビエント作品としては初のフルアルバム『Music for the Ninth Silence』をカナダのインナー・オーシャン(Inner Ocean)からリリースした。以後はビート路線のシングルを定期的に発表しており、12月にリリースしたngtkntr(永田健太郎)とのジャズ・ヒップホップ調の楽曲“Sure Vibes”も記憶に新しい。また、長谷川時夫(タージ・マハル旅行団)の即興演奏コレクティヴ〈Stone Music〉に参加するなど、ビートとアンビエントの垣根を越えた活動を展開している。

そんなTOMCが、前作から間髪を入れずにノンビートの作品をリリースした。

今回リリースされた『MORAL (Original Soundtrack)』は、演劇プロジェクト〈円盤に乗る派〉の公演(2022年)のために制作されたサウンドトラック集。「MORAL」は、80年代を代表する劇作家の一人で、坂本龍一との交流でも知られた如月小春の代表作のリブート版だ。

バブル景気前夜の〈都市〉〈消費社会の身体〉を描いた同作のエッセンスを、TOMCはアンビエントやヴェイパーウェイヴ、坂本龍一にも通じる荘厳でドラマティックなポストクラシカルの要素を織り交ぜて表現している。曲ごとに〈チル〉と〈エモーション〉が交錯する緻密な構成は、単なるサウンドトラックの域を超えて、現代の都市生活者にも新鮮な感情をおぼえさせる内容になっている。

『MORAL』のアートワークは、Local Visionsのレーベルメイトであるミヤオウが担当した。

なお、公演「MORAL」は、本作のリリースにあわせて、1月18日(水)〜2月5日(日)の期間限定で、配信で視聴ができる。詳細は、円盤に乗る派のオフィシャルサイトおよびTwitterで確認を。

ジャンルの垣根を積極的に越えようとする姿勢を強く感じさせるTOMCの新作。今後の活動からも目が離せない。

『MORAL (Original Soundtrack)』の配信リンクはこちら

 


RELEASE INFORMATION

TOMC 『MORAL (Original Soundtrack)』 TOMC(2023)

リリース日:2023年1月18日(水)
リリース形式:デジタル/ストリーミング
配信リンク:https://big-up.style/n5St69XCSu

TRACKLIST
1. Family
2. Private
3. Sinking
4. Moral

 


PROFILE: TOMC(トムシー)
ビート&アンビエント・プロデューサー。カナダ〈Inner Ocean Records〉、日本の〈Local Visions〉などから作品を発表。リリースごとに明確なコンセプトを掲げ、独自の波形編集で作り込まれたジャズヒップホップやアンビエントの作品群で知られる。2020年、EP『Lunar Maria』がiTunesの国内ニューエイジアルバムチャートで1位を獲得。2022年には楽曲“Honesty (feat. arcomoon)”がApple Musicの米国チャートで83位を記録するなど、国内外でリスナー層を広げている。近年は長谷川時夫(タージ・マハル旅行団)が結成した集団即興演奏コレクティブ〈Stone Music〉に参加。一方でハウスやディスコ〜R&BのDJとしても長いキャリアを持つなど、シーンの枠に捉われない活動を展開している。メジャー/マイナーを問わず、広範囲な音楽知識を活かし、サイゾー、Mikikiなどのウェブ媒体や専門誌、Kankyo Records、ディスクユニオンなどのレコード店への寄稿、J-WAVEなどのメディア出演も多数。