南アフリカの7人組バンドによる初作は、まろやかな生音が際立つジャズとネオ・ソウルの快作だ。ひたすらにムーディーな“Whiskey Music”をはじめとする洒脱でスムースな聴き心地がまずは優秀だし、温かいホーン隊に蕩けそうな女性ヴォーカルと硬質な男性ラップが絡む“Dawn We Grow”など、総勢20名に及ぶゲスト陣もアルバムにカラフルな彩りを添える。サックスが主役のアブストラクト寄りな音像“Grandeur”などジャズを起点とした試みや、ギターとフルートが中心のビートレスな楽曲にて歌声の力を引き出す“I Don’t Sleep Anymore”など、洗練されたサウンドの中に意欲的なアイデアを取り込む様子も見事。ムーンチャイルドやハイエイタス・カイヨーテなどをお好きな方に推薦したい一枚。