ECMは、New Seriesを開始、録音の前に固定されたクラシックと現代音楽をレーベルの新領域として開拓してきた。しかしこの作曲家、サックス奏者、メット・アンリエットのリリースがNew Seriesでないのは何故だろう。このサックス、ピアノ、チェロのための作品集である『Drifting』は、第二の『ザ・ケルン・コンサート』、『タブラ・ラサ』とまでは言わないが間違いなく傑作だ。サックスとチェロの響きがこのように美しく溶け合うアンサブルを聴いたことがない。それは彼女の書法、それは時折り北欧訛りの旋律を奏で、時に硬い表情を見せるサックスの音色をアンサブルと交わらせるアンビエントな魔術。
メット・アンリエット(Mette Henriette)『Drifting』サックス、ピアノ、チェロの聴いたことがない美しいアンサブルが響くECMの傑作
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ジャズ