5月に来日公演を果たしたウクライナ出身のピアニスト、アンナ・フェドロヴァ。今年はラフマニノフ生誕150年、没後80年。これまでフェドロヴァはピアノ協奏曲のアルバムを2作リリースしているが、アニヴァーサリーの年に満を持して今回完結を迎えた。19分34秒の第1楽章。実に落ち着いたテンポで始まり、聴き手をじわじわと緊迫させてくれる。オケとのバランスも丁度良い。そして最終楽章のラストを迎え、彼女の巧みな技巧は益々熱情ひた走り、圧倒的な演奏を届けてくれる。本作品にいて、新たな名演が誕生した。