医師、医学博士で軽井沢病院の院長であり、山形ビエンナーレ2020、2022の芸術監督を務めた経歴をもつ稲葉俊郎氏。未来の医療と社会の創発のため、伝統芸能、芸術、民俗学など、あらゆる分野との接点を積極的に探っているそう。未明・朝・昼・夜・休日というシーンごとに分けられ、〈不満と不眠〉〈朝食と世界〉〈行きたくない「場所」について〉など33のことばが綴られている。この本を手にするとき、自分の置かれている環境や、考えていること、悩んでいることによって、響くことばも変わることだろう。私は〈迷子のすすめ〉が特に心に残ったので、効率が悪いこと、予測不能な出来事を求めているのか。くすりから知る病。