俺らをフェスに呼べ
――“わすれもの”と“そのまま”という特別な背景を持った2曲が含まれていますが、今回ミニアルバムとしてはどのようにまとめようとされましたか?
高橋「今回最後に作った曲が“dominant”なんですが、これが出来たことでミニアルバムとして完成させられそうだなと思いましたね。リズムで持っていくような曲なんだけど、ちゃんといい歌が乗っているという、みんなが思うpaioniaらしさが出ている。
今回はライブでやる情景がイメージできる作品というのがコンセプトとしてあったから〈俺らをフェスに呼べ〉というものが出来た気がします(笑)」
――“dominant”は1曲目に配置されていますが、大きな波を描くような雄大なリズムときれいなメロディという点では『Pre Normal』の1曲目“人の瀬”とも対になっている気がしました。
菅野「なるほど。確かにあの感じを求めていたのかもしれないです」
――でもその一方で『Pre Normal』と大きく異なるのが、ライブを意識したこともあって曲が全体的にタイトで短い。“何待ち”、“プロダクト”は2分台で、“流動食”に至っては1分台です。
高橋「1曲5~6分が当たり前の俺たちがこうなるとは、ですね。“そのまま”も7分くらいあったのですが4分台にしたし、今回なるべく短くする意識はありました。
そういう意味でタイトルが『PRODUCT』なんです。長い曲は今の時代聴かれないとか、〈そんなこと知るか〉とは思いつつ、短いのが嫌だというわけでもないからやってみればいいんじゃんと。そしたら逆に自分たちの絶対変わらない部分も際立つかもしれない。だから時代の流れにも目を向けてパッケージした〈製品〉みたいな作品なんです。丁寧に考えて作ったものであり、大衆に向き合ったものでもあり、こんな時代に対する皮肉もあり、フェスにもっと出たいという下心もあり……(笑)」
――〈皮肉と下心の作品〉ってなんかいいですね。
高橋「性格が悪そう(笑)」
菅野「正直すぎる(笑)」
15年はまだまだ途中
――菅野さんの視点で、本作で印象に残っているポイントを教えていただけますか?
菅野「“プロダクト”のアコースティックギターは非常にきれいに録れたので気に入っています」
高橋「ベースのことじゃねぇんだ(笑)。普段はこの人、エフェクターもファズ・ファクトリーしか使ってないんですけど、今回“流動食”で初めてワウをかけたり、“dominant”ではサンズアンプを踏んだり、結構色々試したよね?」
菅野「うん。でもなるだけシンプルな音が好きなんですよね……」
高橋「去年名古屋のKDハポンで演奏した時、エフェクターをかけてないのに自然に歪んじゃうベースアンプがあったんですよ。でもその音が気に入ったのか、その日はめっちゃ弾きまくっていて」
菅野「ハポンのアンプはファズを踏んでも音が変わらないんですよ。あの日の音はすごくよかった。だから今回は色々試してみようって」
高橋「あと俺は今まではギターを入れないことなんて考えられなかったんですけど、今回“そのまま”で初めて〈この曲ギターいる?〉って発想が出てきたんですよね。最終的に少し入ることにはなったんですが、ギターに固執しなくなったのは自分にとって大革命」
――お2人が聴く音楽の嗜好が変わってきたこともあるんですかね?
菅野「あるかもしれないですね。自分も最近はエレクトロニカを聴くことがすごく増えました」
高橋「残念ながら俺は全然変わってない……。新しいものを聴こうとは思うんですけど、ついつい〈次の瞬間には死ぬかもしれないから、今はウィーザーを聴こう!〉って感じで同じのばかり聴いてしまいます」
――であれば、冒頭でお話しいただいた他者の意見を受け入れたり柔軟な考え方になったりしたことが大きいのかもしれないですね。ちなみにミックスの段階でも曲が変わっていくということでしたが、本作の中でエンジニアからの意見が大きく反映されたものはありますか?
高橋「それはもう“何待ち”ですね。最初はきれいな音でミックスまで進んでいたんですよ。でも池田さんの発案で全部歪ませてみたら面白い曲になりました。確かディアフーフを聴いていて、ドラムの録音自体はクリアなのにミキサーを通して歪ましているのがよかったんですよね。
“現代音楽”の間奏で加工した人の声が入っているのもそうだし、今までにも増して2人だけでは絶対作れなかった作品になりました」
――ここまでキャリアを15年積み重ねてきましたが、バンドとして今まさにいい流れと変化が起こっていて、その中で本作が生まれたということがよく分かった気がします。今年15周年を迎えたことの感慨とかはありますか?
高橋「うーん……そりゃ100周年とかだったら〈ここまでやってきたね!〉となるでしょうけど(笑)」
菅野「100周年だったら、バンドよりも、僕たちが120歳になっていることがすごいよ(笑)」
高橋「確かに(笑)。だから15年はまだまだ途中ですよ。人間としてもどんどん柔軟になっているので、その変化に合わせてこれからも音楽をやっていけたらと思います」
RELEASE INFORMATION
リリース日:2023年8月2日
品番:NCS-3027
価格:2,200円(税込)
購入者特典:ジャケ写ステッカー
配信リンク:https://lnk.to/paionia_PRODUCT
TRACKLIST
1. dominant
2. 現代音楽
3. 何待ち
4. プロダクト
5. そのまま
6.流動食
7.平地を見ている
8.わすれもの
LIVE INFORMATION
paionia 3rd Mini Album「PRODUCT」Release Tour
“Marketing Chance” Tour -福岡編-
2023年10月14日(土)福岡 Utero
開場/開演:18:00/18:30
出演:paionia/???(後日発表)
前売り:3,800円
https://eplus.jp/sf/detail/3925330001-P0030001
paionia 3rd Mini Album「PRODUCT」Release Tour
“Marketing Chance” Tour -大阪編-
2023年10月20日(金)大阪・心斎橋 Pangea
開場/開演:18:00/19:00
出演:paionia/???(後日発表)
前売り:4,000円
https://eplus.jp/sf/detail/3923860001-P0030001
paionia 3rd Mini Album「PRODUCT」Release Tour
“Marketing Chance” Tour -東京編-
2023年10月25日(水)東京・下北沢 SHELTER
開場/開演:19:15/19:45
出演:paionia/???(後日発表)
前売り:4,500円
https://eplus.jp/sf/detail/3924830001-P0030001
PROFILE: paionia
福島県で生まれ育った(ボーカル/ギター)と菅野岳大(ベース)が中心となり、2008年に結成。2012年3月、ファーストミニアルバム『さようならパイオニア』をDAIZAWA RECORDSからリリース。同年9月、福島県の猪苗代湖で開催された〈風とロック芋煮会2012〉に出演。2013年12月、セカンドミニアルバム『rutsubo』をDAIZAWA RECORDSからリリース。2015年6月、第2期paionia終了、尾瀬松島(ドラムス)が脱退。2016年3月、サポートドラマーに中村一太(ex-the cabs、plenty)を迎え、ライブ活動を再開。2017年11月、枚数限定のファーストシングル『正直者はすぐに死ぬ』をgspよりリリース。2018年6月、ファーストフルアルバム『白書』をgspよりリリース。同年8月、〈FUJI ROCK FESTIVAL ’18〉の〈ROOKIE A GO-GO〉へ出演。同年12月〜2019年8月で、シングル『きれいすぎた/bed』『いまだにクリスマス』『帰るところ』『僕らの音が苦』『骨』『みんな言えないでいる』『1988』『凡人の光』をgspより配信リリース。2019年9月、配信シングル集『魂とヘルシー』を会場限定でリリース。2020年1月、paionia × Os OssosのスプリットCD『年輪』を会場限定でリリース。2020年5月、単独公演〈有人飛行〉を開催。2021年7月、シングル『鏡には真反対』を配信リリース、単独公演〈終わらない現像〉開催。2021年8月、シングル『今にとって』を配信リリース。2021年9月、シングル『金属に近い』を配信リリース。2021年10月、シングル『終わらない歌が終わる日』を配信リリース。2021年12月、シングル『手動』を配信リリース。2022年2月、セカンドフルアルバム『Pre Normal』をリリース。2022年10月、Disney+〈スター〉のオリジナルドラマ「すべて忘れてしまうからのエンディング曲としてシングル『わすれもの』を配信リリース。2023年4月、シングル『現代音楽』を配信リリース。2023年5月、単独公演〈魂とヘルシー paionia 15th〉を開催。2023年6月、シングル『そのまま』を配信リリース。2023年8月、サードミニアルバム『PRODUCT』をリリース。
