結成15周年を迎えた2人組バンドが放つ、ミニ・アルバムとしては約10年ぶりとなる本作の収録曲は、シューゲイザー系統の音像で迫る“dominant”や、凶暴なノイズを撒き散らしながら激走していく“何待ち”など、鬱々としていて、ナイーヴで、だからこそ優しくて、心の深いところまで落ちていくものばかり。昨年のアルバムでもさまざまなアプローチにトライし、音楽性を拡張していたが、今回はソングライターの高橋勇成が人生で初めて作ったという楽曲“そのまま”に盟友のTENDREが参加。息を飲むほどに美麗ながらも、遠くで鳴るノイズが飾り気のない言葉に深みや彩りを持たせている。