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そこから始まる青春がある

 まず、表題曲の“あの頃、僕ら若すぎた青春”は、ミキティー本物が作詞・作曲した疾走感のある青春ソング。山下智輝の編曲によるエモーショナルなバンド・サウンドを背に熱く猛る4人の歌声が胸を打つ。

ミキティー本物「私が最初に〈青春〉をテーマに歌詞を書いたのは“青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ”(2017年)なんですけど、そのときは本当に〈青春はやり直せない〉と思っていたんです。でも、今回の楽曲は〈そこから始まる青春がある〉と言い切っていて」

筆村栄心「完璧な青春を送ってきた人はなかなかいないと思うし、自分は特にコンプレックスが強いタイプだったので、青春時代に〈もっとこうしておけば〉という気持ちがあったなかで、みんなと一緒に3年半活動して前に進めている実感がある今だからこそ、この曲を歌えることが嬉しいです」

日が紅「歌詞を受け取ったとき、最後の〈生けるさ 生こうよ〉という言葉を見て、また聴いてくれる皆さん一人一人に手を差し伸べられるような歌を歌えることがすごく嬉しかったです。サウンドもワクワクするけど切なくて」

ぺいにゃむにゃむ「まさに二丁魁らしい楽曲で、〈青春〉がギュッと詰まっていて、いろんな人に共感してもらえるはず。特に〈“世界で1人ぼっち”じゃなくて“世界で1人しかいない僕だから”〉というフレーズはたくさんの人に届いてほしい」

ミキティー本物「歌詞を書くときはiPhoneのメモに箇条書きで悩みを書き出して、その悩みに対して解決策や結論が出るまで文章を書く作り方をしているんですけど、この曲も歌詞の最初にある〈世界で1人ぼっちだと思っていた青春〉から書きはじめて、最終的に〈“世界で1人ぼっち”じゃなくて“世界で1人しかいない僕だから”〉と書いたことで、悩みが解決して歌になったんです。孤独を感じている人に対して、私から〈1人じゃないよ〉とは言えないけど、〈あなたは1人しかいないよ〉と言うことはできるし、あなたのやり方で生きていけば、そこからまた青春みたいなキラキラした毎日を始めることができる。そんな思いで書いた曲です」

 カップリングには二丁魁にとって初の本格的な恋愛ソング“LOVEタイムマシーン”を収録。シャープなギター・ロックに乗せて未練たっぷりの想いをぶつける悲恋の歌だ。

ミキティー本物「前に1曲だけ“ピンポンダッシュ”(2019年)という曲を書いたことはあるんですけど、結局私が歌詞を書くので、〈お前の過去の恋愛のことなんて聴きたくねえよ〉って思われるだろうから恋愛の曲は避けていたんですよ(笑)。でも、私も別につんくさんや秋元康さんの書いた歌詞に対していちいちそんなことは思わないので、〈失恋〉を裏テーマに書いてみました」

ぺいにゃむにゃむ「私は片想いが大好きなので、この歌詞を見てハッとしちゃったんですよ。どことは言いませんけど、この部分の歌割りは絶対に譲りたくないと思って死守したところがあって(笑)。でも、楽曲自体が難しくて表現に苦戦しました」

 それぞれの孤独や疎外感を越えて、いままさに仲間たちと新しい青春の真っ只中にいるからこそ歌える名曲を形にした二丁魁。今後もこの4人にしか歌えない優しい歌を届け続けてくれることだろう。

ミキティー本物「今後もシングルを出していくつもりだし、いまは新しいことにチャレンジしたい時期なんですよ。13年目にして新しいことをしたいと思えるのは本当に素敵だと思うし、私たちは20年目も30年目も同じように〈〇〇年目にして初〉と言っていると思うんですよね(笑)。この先も二丁魁から目が離せないような活動をしていきたいです」