南アフリカの有力ミュージシャンたちが次々と英国に渡り、ジャズの中央へ進出していた60年代後半。時代はポストコルトレーンの時を超えてFusionの登場が迫っていた。そうした時期に結成されたFree Improvisation Big Bandと言っていい、自由な発想で展開するミュージシャンたちの1972年の貴重な記録がYellow Vinyl LPで復刻された。参加したのは、こののち、英国Ogunレーベルを中心として、偉大な足跡を残す面々たちが連なる。それまでのスイング系のビッグバンドアレンジとは異なる、尖んがったアンサンブルと、フリーキーな即興演奏が相まった演奏は、一瞬の油断も許さない緻密さと繊細さが共存する。全編スリリングだ!