私のエゴであることは重々承知の上で言わせてほしい。これは〈ロック〉な作品だ。“血流”が流れた瞬間、わずか15秒で完全に心を掴まれてしまった。鳴っているのはピアノだけだが、他の楽器までも聴こえてくるような、リズミカルに畳み掛ける怒涛の演奏。北海道の名寄市でレコーディングされた今作は、これからの季節にピッタリなリズムとメロディが印象的な“aqua garden”、ふと夜空に輝く星たちに想いを馳せたくなるような“ピアシリの風”など、その自然豊かな風土や情景をも窺える全5曲を収録。きっとジャンルの垣根を超えて人々の心に響く作品であるに違いない。