学んだことを身に付けること。この本には英語学習のコツ以上に学んだことを身に付けるコツが溢れる。そして時間をかけることを躊躇わないことがその大前提だということがわかる。「ベストヒットUSA」という伝説的な洋楽番組でディスク・ジョッキーを務めた小林克也氏がこの本で語るのは異国の言葉が生み出す異空間を彼がどうやって泳いできたか、そしてどんな風に言葉を操ってきたかだ。だから途中、英語の話はDJのコツの話にすり替わる。とても具体的に彼の経験が語られて、英語を仕事にしてきた人の知恵が披露される。知識ではない。言葉は生きて生活の中に、現場にあることを思い知った。