シンガーソングライターの琴音から、活動5年間の集大成となる2枚組アルバム『成長記 ~Now & Best(2018-2024)~』が届けられた。
今年3月にメジャーデビュー5周年を迎えた琴音。本作のDISC 1には“Heaven”(ドラマ「嗤う淑女」主題歌)をはじめとする新曲6曲に加え、“ここにいること”(デビューEP『明日へ』収録曲)、“Hands”(「ライザのアトリエ 2~失われた伝承と秘密の妖精~」エンディングテーマ)、“Brand New World”(映画「金の国 水の国」劇中歌)などの既存曲、さらに手嶌葵“明日への手紙”などのカバー曲、デビュー前から音源化を熱望されていた新録曲“成長記”を含む全16曲が収録されている。またDISC 2には2023年7月に大阪・あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホールで行われたライブ〈琴音 Live 2023 -君に-〉の音源全17曲が収められている。
17歳でメジャーデビューを果たしてから5年。シンガーソングライターとして大きく成長した彼女に、本作『成長記 ~Now & Best(2018-2024)~』について語ってもらった。
右も左もわからないデビュー時から縁でつながった5年の歩み
――デビュー5周年を記念した2枚組アルバム『成長記 ~Now & Best(2018-2024)~』がリリースされます。新曲6曲と既存曲、カバー曲、さらにライブ音源などが収められ、タイトル通り〈今〉と〈ベスト〉の両方の側面を持った作品ですね。
「はい。当初はオリジナルアルバムを作る予定だったんですが、新たに加わってくださったスタッフの皆さんと話すなかで、〈せっかくの5周年だから、それになぞらえた要素も入れましょう〉ということになって」
――結果的に、これまでの活動を振り返る機会にもなったのでは?
「そうですね。アルバムに入っている“成長記”は15歳くらいのときに書いた曲で。〈これまでを振り返る〉というコンセプトがなかったら、収録することにはならなかったと思いますね」
――なるほど。では、アルバム(DISC 1)の収録曲について聞かせてください。“ここにいること”、シングル“白く塗りつぶせ”“君は生きてますか”“Brand New World”などの代表曲も収録されていますが、琴音さんのなかでターニングポイントなった曲というと?
「一つ一つの曲に思い出があるんですよね。“ここにいること”はメジャーデビューEPに入っていた曲で、右も左もわからない状態で制作していたんですよ。
“白く塗りつぶせ”(テレビ東京系ドラマBiz『ハル ~総合商社の女~』オープニングテーマ)のときは〈自分の曲がドラマの主題歌になるんだ?〉という驚きがあったし、“Hands”が『ライザのアトリエ2』の曲になったときは、ゲームが好きな高校の友達が〈え?!〉って湧いてくれて(笑)。
“君は生きてますか”(フジテレビ系月9ドラマ『ナイト・ドクター』オリジナルナンバー)がドラマに起用されたときは、『音楽チャンプ』(音楽オーディション番組『今夜、誕生!音楽チャンプ』)の審査員だった方が声をかけてくださったんです。振り返ってみると、いろんな縁がつながってここまで来たんだなと思いますね。
“ライト”もそう。この曲は東北電力のTV CMで使われているんですけど、地元にいるときにずっと見ていたCMなんですよ。“ライト”を作ったとき、頭の片隅でちょっとだけ〈東北電力のCMで流れたらいいな〉と思ってたので、実現したときはすごうれしくて」

15歳で書いた“成長記”を22歳の今歌ったら?
――デビュー当初はアコースティックな楽曲のイメージがありましたが、キャリアを重ねるなかで音楽性も広がってますよね。
「そうですね。デビューした頃は全部ギターで作っていたんですよ。私にとってはいちばん身近な楽器だし、弾きながら作るのは楽しいんですけど、ずっと弾いてきたから手癖みたいなものがあって。〈この流れだと、次はこのコード〉みたいなものがけっこうあるんですよ。
そこからなかなか抜け出せなかったんですけど、高校を卒業して、音楽の専門学校に通うようになってからはDTMとギターが半々くらいになって。全部DTMで作ることもあるし、〈Aメロはギターで、あとはDTM〉ということも。曲調も広がったし、専門学校に進学したことはポイントでしたね。卒業して2年くらい経つんですけど、仲間と一緒に競い合いながら高め合う空間はすごく大事だったと思います」
――さきほど話に出てきた“成長記”は、デビュー前からファンの間で音源化を望まれていた楽曲。15歳のとき、どんな思いでこの曲を書いたか覚えていますか?
「曲名は最後に付けたんですが……最初は内省的なことを書こうと思っていました。“戯言~ひとりごと~”という曲があるんですが、それと似たような感じで、そのときの自分の視野から見える景色、考えていること、大切にしていることなどを曲にしてみたいなと。
その時点で曲を書き始めてから何年か経っていたんですけど、〈感性や考え方は、どんどん変わっていくんだな〉と思い始めて。当たり前ですけど、そのときの感情は、そのときにしかない。だったら、後で振り返ったときに〈この頃の私はこういうことを考えていたんだな〉という曲――それこそ〈成長記〉ですよね――を書いておきたいなと。そのことだけを考えて、つらつらと書き連ねたのが“成長記”なんです。
歌っていることは内省的だし、ネガティブな思考も見え隠れしているんですが、それを含めて〈今歌ったらどうなるだろう?〉と思い、今回レコーディングすることになったんです。自分の視野がどう変化したのか、私自身も振り返ることができるし、ずっと聴いてくれているファンの皆さんにも楽しんでもらえるんじゃないかなと。〈音源化してほしい〉という声もずっとありましたからね」
――15歳で書いた曲を7年後にレコーディングして、どんなことを感じました?
「15歳のときに歌った“成長記”を自分のYouTubeチャンネルにアップしているんですよ。レコーディングする前は〈そんなに変わらないんじゃないかな〉と思っていたんですけど、聴き比べてみるとかなり違っていました。
“成長記”を書いた頃は誰のアドバイスも受けていないし、けっこう尖ったところもあって。全部自分で作っているので自業自得なんですけど、歌うのが難しい曲なんですよ。ライブで歌うのも大変だったんですけど、久しぶりに歌ったら意外とすんなり歌えて。時間が解決してくれることもあるというか(笑)、少しは成長してるんだなと思いました。今後はライブでも歌っていきたいし、幸先良いスタートが切れました」

〈音楽しかやりたくない〉と言い切る勇気を刻んだ“image”などの新曲たち
――アルバムに収録された新曲についても聞かせてください。まずは“Heaven”。作詞をいしわたり淳治さん、作曲をSOULHEADさん、HNDさんが手がけたダークな手触りのミディアムチューンですが、こういうテイストの楽曲は新機軸では?
「確かにこの路線は珍しいかもしれないですね。私自身はこういうダークな曲が好きで、プライベートでもよく聴くんですよ。自分の曲としてこういう曲が歌えるのもよかったと思うし、音楽の世界を広げてもらった感覚がありますね」
――〈退屈な毎日にまだ良い人ごっこをするの?〉という歌い出しもそうですが、エッジの効いた歌詞もあって。ボーカルを録るとき、どんなことを意識していましたか?
「提供していただいた曲を歌うときは、歌い方をすごく詰めるんですよ。紙に歌詞を印刷して、フレーズごと、場合によっては一文字ごとに〈こういうふうに歌う〉というのを書き込んで。
“Heaven”は声の機微がすごく出る曲で。平歌は音数が少ないので余計にニュアンスが大事だし、サビは力強さがないとダメ。難しかったけど、すごくやりがいがありました」
――“image”は琴音さんが作詞・作曲した楽曲。ポップなメロディと強い意志を感じさせるリリックのバランスがいいな、と。
「ありがとうございます。“image”を作っていたときの心境としては……さっき専門学校の話をしましたけど、卒業すると音楽から身を引いてしまう人も多いんですよ。学校のときの仲間と会うと〈あいつが辞めた〉〈あの子は最近、ぜんぜん曲を書いてない〉みたいな話になることもあって。音楽を続けている人は〈音楽しかできないんだよね〉って言ったりするんだけど、私はその言葉に対して〈そうだよね〉と言いつつも、どこか後ろめたい気分があるんですよね」
――後ろめたいというのは……?
「もしかしたら、音楽じゃない道を選べる自分を認めたくないから〈音楽しかできない〉って言ってるんじゃないかなって。そういう気持ちもすごくわかるし、だから〈そうだよね〉って答えるんだけど、私としては〈音楽しかやりたくない〉という気持ちが強くて。もちろん上手くいかないこともあるし、思い通りにならないこともあるけど、それでも〈音楽しかやりたくない〉と思いたい。そのためには〈自分勝手に生きるんだ、私は〉と言い切る勇気が必要なのかなと……そんなことを思って書いた曲ですね、“image”は。
サビの1行目(〈僕ら傷つくことすら身勝手だ〉)はそういう気持ちを固めたものだと思っていて。どれだけ苦しんでも傷ついても、すべては自分の選択の結果。それを受け入れて、わがままに生きてるって言い切る勇気を持とう、と。おこがましいけど、そういう気持ちを歌にすることで、聴いてくれる人に何かを伝えられたらいいなと思っていました」
――琴音さん自身の強い思いが反映されているんですね。“多面体”“Wrong”は作詞が琴音さん、丸谷マナブさん、作曲・編曲が丸谷さんというクレジット。丸谷さんはLittle Glee Monsterや乃木坂46の曲を手がけるヒットメイカーですが、制作はどうでしたか?
「丸谷さんが作ってくださった曲に対して、私が歌詞を書いて、それをブラッシュアップしていただいて。丸谷さんはとてもやさしい方なので、すごくやりやすかったし、いろんなアドバイスを添えていただいて、とてもいい機会になりました。作詞・作曲だけはなくて、〈作詞だけでもやれるんだよ〉というか(笑)、いろんな見せ方ができたらいいなと思ってるんですよね」

新しい出会いを求めてもっとライブをやりたい
――DISC 2には、2023年7月に大阪・あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホールで行われたライブ〈琴音 Live 2023 -君に-〉の音源が収められています。オーディエンスと一対一で向き合っているのが伝わる、素晴らしいライブ音源だなと。
「本当ですか? ライブに関しては、デビューしたばかりの頃は右も左もわからなくて。その前はいろんな人が出演するライブにしか出たことがなかったし、30分くらいの尺で、ほとんどが弾き語りだったんですよ。ワンマンライブは1時間半とか2時間くらいだし、最後までしっかり歌い切って、ときどきお喋りして、なだらかに進行するだけでいっぱいいっぱいだったんです。
でも、いろんなライブのやり方に取り組むなかで――教会で歌ったり、朗読を取り入れたり――表現の仕方も少しずつ広がってきて。ザ・フェニックスホールのライブの頃は、やっと〈私なりに成長できたのかな〉と思いはじめた時期だったのかなと」
――アルバム『成長記 ~Now & Best(2018-2024)~』は、琴音さんの今後の進化を感じさせる作品でもあると思います。デビュー5年を迎えて、この先のビジョンをどんなふうに描いていますか?
「10年後、20年後、何をやってるんだろう?と思うと、気が遠くなっちゃいますね(笑)。
今は〈もっとライブをやりたい〉という気持ちが強くて。ワンマンライブはもちろんですけど、イベントも好きなんですよ。お客さん、演者さんとの新しい出会いがあるし、東京周辺だけではなくて、一度も足を踏み入れたことがない場所にも行ってみたいです」
――積極的に人とつながっていきたい、と。デビューした頃は「人見知りでコミュニケーションが苦手」と言ってましたが、克服したようですね。
「前よりはだいぶ口が回るようになりました(笑)。インスタライブをやっていることも大きいと思いますね。(視聴者は)自分を応援してくださってる方がほとんどだし、すごくアットホームなんですよ。安心できる状況で1時間くらい歌ったり喋ったりして。そのなかで少しずつ慣れてきたんじゃないかなと。やっぱり聴いてくれる方々の存在は大きいですね」

RELEASE INFORMATION
リリース日:2024年9月18日(水)
品番:VICL-65994~5
価格:4,950円(税込)
配信リンク:https://jvcmusic.lnk.to/seichoki
※音楽ストリーミングサービスおよび主要ダウンロードサービスにて同時配信予定
※対応ストリーミングサービス:Apple Music/YouTube Music/Amazon Music/LINE MUSIC/Spotify/AWA/Rakuten Music/KKBOX/うたパスオンデマンド/TOWER RECORD MUSIC/Deezer/dヒッツ/うたパス/SMART USEN
TRACKLIST
DISC 1
1. Heaven(東海テレビ・フジテレビ系全国ネット 土ドラ「嗤う淑女」主題歌) ※新曲
2. image ※新曲
3. 多面体 ※新曲
4. Wrong ※新曲
5. 夜明け前 ※新曲
6. 狭いソラ ※新曲
7. 君に(資生堂アネッサ ドラえもんデザインCM楽曲)
8. ライト(東北電力TV CM曲)
9. Brand New World(映画「金の国 水の国」劇中歌)
10. 君は生きてますか(フジテレビ系月9ドラマ「ナイト・ドクター」オリジナルナンバー)
11. Hands(ゲームソフト「ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~」エンディングテーマ)
12. 白く塗りつぶせ(テレビ東京系ドラマ Biz「ハル 〜総合商社の女〜」オープニングテーマ)
13. ここにいること(デビューEP『明日へ』収録曲)
14. 翼をください ※カバー曲
15. 明日への手紙 ※カバー曲
16. 成長記 ※新録曲
DISC 2
「琴音 Live 2023 -君に-」(あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール[2023/7/6])
1. 優しい予感
2. ここにいること
3. しののめ
4. ラブレター
5. 君は生きてますか
6. あなたのようになるために
7. ライト
8. Brand New World
9. Love Birds
10. 波と海
11. 真価論
12. 戯言~ひとりごと~
13. きっと愛だ
14. 音色
15. 願い
16. 君に
17. 夢物語
■CD特典情報
・以下のチェーン(★)でお買い上げいただいた方には、『オリジナルクリアしおり』をプレゼント。
TOWER RECORDS 全国各店/TOWER RECORDS ONLINE ほか
※上記各特典ともに数に限りがございます。お早めにご予約ください。
※また一部、特典の取扱いがない店舗もございます。あらかじめご了承ください。
※確実に入手をご希望の方は事前に各店舗様へご確認いただくことをおすすめいたします。
LIVE INFORMATION
ワンマンライブ「琴音Live 2025 - 成長記-」
2025年1月19日(日)神奈川・川崎 SUPERNOVA KAWASAKI
1st 開場/開演:15:00/15:30
2nd 開場/開演:18:00/18:30
info.:HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077(平日12:00~18:00)
2025年1月26日(日)新潟 NIIGATA LOTS
1st 開場15:00/開演15:30
2nd 開場18:00/開演18:30
info.:キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
■前売
全席指定:7,500円(税込)
U20チケット:6,000円(税込)
各会場2公演通し券:14,000円(税込)
■チケット受付
オフィシャル先行:9月18日(水)12:00〜9月29日(日)23:59
一般発売日:2024年11月23日(土)10:00〜
■Total info.
琴音 オフィシャルサイト:https://jvcmusic.lnk.to/seichoki
PROFILE: 琴音
新潟県長岡市出身。2002年1月7日生まれ、22歳。唯一無二の歌声と静謐な存在感で世代・性別を問わず支持されるシンガーソングライター。〈Eggs presents ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2018への挑戦~〉のグランプリ、テレビ朝日「今夜、誕生!音楽チャンプ」のグランドチャンプを獲得し、2018年7月にミニアルバム『願い』をリリース。2019年3月6日、EP『明日へ』でメジャーデビュー。同年にリリースした2ndシングルの表題曲“白く塗りつぶせ”がテレビ東京系ドラマBiz「ハル 〜総合商社の女〜」のオープニングテーマに決定。2020年6月、初めてのフルアルバムとなる『キョウソウカ』をリリース。10代最後となる2021年最初のリリースとしてメロディと歌詞がその歌声を最大限引き出すベストマッチを追求した3部作を配信。1月、さだまさしの名曲“防人の詩”をカバー。2月、フォーレ“シシリエンヌ”を現代風にアレンジした“ひとりひとつ”をリリース。5月、赤い鳥の名曲“翼をください”をカバー。同年、フジテレビ系月9ドラマ「ナイト・ドクター」のオリジナルナンバーに“君は生きてますか”が決定。年末に全国ツアー〈琴音 Live Tour 2021 -君は生きてますか-〉を開催。2023年1月27日公開、アニメ映画「金の国 水の国」の劇中歌3曲を歌唱し、6月30日に東京・キリスト品川教会グローリア・チャペル、7月6日に大阪・あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホールにてワンマンライブ〈琴音 Live 2023 -君に-〉を開催。
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