ゆずの19枚目のアルバム『心音』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン「TOWER PLUS+ ゆず 特別号」を発行! ここでは中面に掲載されているレビューを掲載いたします。「TOWER PLUS+」はタワーレコード全店にて配布中です! *TOWER PLUS+編集部

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ゆず 『心音』 トイズファクトリー(2026)

 

ゆずが19枚目となるオリジナルアルバム『心音』をリリースした。前作から約1年半ぶりとなる今作は、前作以降のシングル曲を収録せず、全曲が新曲となるキャリア初のアルバム。すべてが初めて発表される全楽曲をレビューし、楽曲の魅力とゆずのふたりが各楽曲に込めた想いに迫ってみた。


 

ゆずの音楽を響かせる喜びと意味とは? 根本に向き合った新作

ゆずのニューアルバム『心音』は、ふたりのキャリアにとっても大きな意味を持つ作品だ。

前作『図鑑』(2024年7月リリース)以降、アリーナツアー〈YUZU ARENA TOUR 2024-2025 図鑑 Supported by NISSAN SAKURA〉、初のフルオーケストラコンサート〈YUZU Orchestra Concert 2024 ゆず晦日〉などを開催。“flowers”“GET BACK”“シビレル”“尤”などのシングル曲をリリースするなど、充実した活動を継続してきたゆず。

2027年のデビュー30周年、そして、自身初の弾き語りアリーナツアーを目前に控えるふたりから届けられた19枚目のアルバム『心音』は、タイトル通り、今現在のゆずの〈心の音〉が強く刻まれた作品となった。

今作は、前作以降に発表されたシングルは収録されず、2025年後半以降に制作された楽曲で構成されている。今、自分たちはどんな世界、どんな社会に生きていて、どんなことを感じ、どんなことを思いながら生活しているのか。そんな根本の部分とまっすぐに向き合いながら、北川悠仁と岩沢厚治は言葉を綴り、旋律に乗せ、音を作り上げてきた。ゆずの音楽を響かせることの喜びと意味とは何か? おそらく彼らの心のなかには、そんな思いもあったのだろう。

そして届けられた今作『心音』は、生々しい感情と豊かなエモーションがたっぷりと込められた作品に仕上がった。収録された9曲をひとつずつ紹介していきたい。

 

1. 翠光(作詩/作曲:北川悠仁 編曲:釣 俊輔)

素朴なアコギの響き、透明感のあるシンセの音、雷鳴や鳥のさえずり。アンビエントな雰囲気をたたえた音像とともに聴こえてくるのは、浮遊感と奥深さをたたえたふたりの歌声。〈翠光〉とは、翡翠のような緑色の輝きや光を指す言葉。自然のなかにある植物や光が揺れる様子、そこから感じ取れる美しさや儚さ。そんなイメージとともにアルバム『心音』は幕を開ける。

 

2. 心音(作詩/作曲:北川悠仁 編曲:釣 俊輔)

アルバムのタイトル曲“心音”。きらびやかなギターの響き、力強く進んでいくビートが印象的なこの楽曲のモチーフは〈心臓〉だ。1日約10万回の拍動により血液を全身へ循環させるポンプの役割を果たし、生命維持に不可欠なこの臓器は言うまでもなく、〈生きる〉というイメージに直結している。心の音に耳をすまし、歌という表現へと結びつけ、それを〈君〉に届ける――そんな音楽の循環は、確かに心臓のよう。瑞々しい生命力に溢れたふたりの歌声、そして、〈新音よ響け〉というフレーズは、このアルバムが生み出されたモチベーションそのものだと思う。