ジュリーニの没後20周年に当たる2025年に、旧EMIレーベルに収録したスタジオ録音が60枚組で集成された。全ての音源は今回192kHz/24bitリマスターが施され(一部以前の192/24のリマスター音源も使用)、音質的な向上は非常に嬉しい要素。加えて、「魔弾の射手」序曲や未発のチャイ5のリハ、“四季”のステレオ・テスト音源が一部含まれており興味深い。チャイ5は一部分ながらジュリーニらしい音価の長いフレージングが聴け、感涙もの。他にも再録音を行わなかった曲も多くあるため、このセットは貴重だ。あらためてジュリーニの功績を振り返ると共に、傑出した才覚を今回再認識できた。必聴すべき録音。
カルロ・マリア・ジュリーニ(Carlo Maria Giulini)『ワーナークラシックス・リマスタード・スタジオ録音全集』テスト音源などを高音質で楽しめる、没後20周年に届けられた感涙の60枚組CD BOX
