2022年頃に突如世界の舞台へ躍り出たコンゴ民主共和国はキンサシャの5人組が、これまで路上や欧米遠征で磨き上げた楽曲を収めた初アルバムをリリース。廃材を組み合わせた自作楽器のエキセントリックな音色がプリミティブに高速回転。否応なしにオーディエンスを歌い踊らせる狂騒サウンドの中で繰り返されるされる言葉が、現在も〈紛争〉〈人道危機〉〈困窮〉などの問題を抱えるコンゴの現状や若者たちの日常をダイレクトに映し出す。母国の音楽的遺産、地元の先達が高めた進歩的意識、アングラで奮起する同世代の先鋭サウンドを凝縮したこの音楽はキンサシャで生きる彼らのアイデンティティーそのものでもある。