1990年代ヴィジュアル系をリバイバルさせたサウンドと〈個性的〉すぎる歌詞によって話題を呼び、2026年初頭に“LOST CHILD”の歌詞〈カインズホーム大きすぎて/ホグワーツくらいある〉がバズったことで知名度を大きく上げたバンド、色々な十字架。勢いに乗る彼らが、待望の新作として初の両A面シングル『魚〜ホットドッグ〜/ミル~猩々紅冠鳥~』をリリースした。
本作は、お茶の間にヴィジュアル系が浸透していった時代を彷彿とさせる壮大なスケール感のあるサウンドの“魚〜ホットドッグ〜”、それと対を成す“ミル~猩々紅冠鳥~”という楽曲自体が早くも評判で、オリコンデイリー シングルランキングでは7位を獲得。さらに、オリジナル〈ガラオケ〉を収録し、初回限定盤には初のクリスマスディナーショー〈Kurisu Special Ban-Meshi Show 〜光すぎる聖夜を〜〉の映像を収録したDVDが付属と、CDをぜひ手に入れたい仕様になっている。
今回は、そんなシングルについて5人へインタビュー。ライター藤谷千明が、タワーレコード渋谷店でのインストアイベント開催直前のバンドに取材した。 *Mikiki編集部

〈数字〉の力で増える、沼の水飲む同士
――一昨年末に行われた『1年生や2年生の挨拶』インタビュー以来ですね。2月にヒューリックホールで開催された初のホールワンマン公演、〈5th ONE-MAN SHOW『タケノコ狩りなどで山に行く際の専門性のあるリュック ON STAGE!』〉、さらに4月にはLINE CUBE SHIBUYAでの追加公演の成功も記憶に新しいです。この1年半でバンドを取り巻く状況は大きく変わったのでは?
tink(ボーカル)「たしかに、変わりましたね……。〈数字〉が!」
――〈数字〉とは?
tink「出演した記事のPV数、MVの再生数とか、あとはSNSのフォロワー数とか」
misuji(ベース)「昨年末にX(旧Twitter)で〈友達が布教してきたV系の曲、様子がおかしいよ〉みたいな感じで紹介してくれた投稿に〈いいね〉が数万ついて。そこから年明けにカインズの記事(〈となりのカインズさん〉の〈カインズの歌を無断で作ったヴィジュアル系バンドに連絡をとってみた〉)が公開されて、さらに話題になって……」
kikato(ギター)「バンドの公式SNSアカウントも1万人くらいフォロワー増えましたよね」
tink「バズった直後はあまり実感がなかったんですけど、その後(バンドの公式SNSアカウントの)認知度が上がった感があります」
misuji「だから自分たちの力じゃなくて、他の人たちのおかげなんです(笑)」
tink「ただ、バズってそのあと続かない場合もあるじゃないですか。1回だけバズって終わり、みたいな。バズから知ってくれたとしても、いい曲やライブをやっているし、メンバー各々のキャラも立っているし、いつバズっても好きになってくれる、いわゆる〈沼れる〉沼を準備してきた自負はあります」

――バンドとしてステップアップしている状況と、ネットのバズりの相乗効果が、本当に良い形で現れていますね。また、今回のアーティスト写真の衣装もグレードアップしていませんか。
tink「初めてプロの衣装製作の方にお願いしました」
――それは〈数字〉の力の結果なのでしょうか?
kikato「いや、これはバズるより全然前から動いてました」
dagaki(ドラムス)「ずっと既製品を使って衣装を組み合わせたりしてたので、〈ちょっと1回プロにお願いしてみたいね〉って話は前からあったんです。だから、今回いいタイミングでYUHEIさんにお願いできたかなって」
――では、衣装にはメンバーの意向がこれまで以上に反映されているということでしょうか。
dagaki「衣装さんとの打ち合わせのときに、例えば〈ドジャースっぽい青色を入れて〉みたいな話をしましたね」
tink「“魚~ホットドッグ~”がドジャースの歌詞なので、〈ドジャーブルーを入れよう〉って言いました」
――歌詞には直接的な固有名詞は出ていませんが、やはりドジャースと大谷翔平選手のことだったんですね。
tacato.(ギター)「あとは、今までの衣装がモノトーン中心だったこともあって、色を使った衣装を作りたいとも話していましたね」
