ルーツ・ロック・レゲエのリディムでダビーにピアノ・ジャズを奏でるNew Zion Trioがブラジルの至宝シロ・バティスタを迎えた新作。レゲエとジャズの融合とは簡単に言えるけれどもここまで有機的にヘヴィなボトムと流麗な上物をミックスできるかといえばなかなか難しく、裏打ちだけがレゲエの要素ではないことを改めて思い知らせてくれる。そして何といっても、シロのパーカッション。トライバルなグルーヴを付加する類のものではなく、ピアノの彩り、ベースの鳴りを拡張するような、少し聞いただけでは一人増えていることすらわからない程絶妙な間で切り込んでくるそれ、まさに匠の技。