地元・東北の風景と人情に根差すフォーク・ソングへ回帰した前作を踏まえ、各々の時と場所を懸命に生きる人間の一生を描くコンセプト作。次松大助THE MICETEETH)のリリカルなピアノが大きな役割を果たし、フォーキーなものやシャンソン風、バンド・サウンドなど前回以上に豊かな音像と、幽玄な美しさを湛えた歌声が溶け合う。〈生と死は循環する〉という骨太な哲学によって聴き心地は穏やかだが、後味は重厚。