オープニングからフランス革命、戦争シーン(爆発シーンもある景気の良さ!)、ホームレスがローラー車に巻き込まれ漫画のようにペシャンコになる……などという描写まである、グルジアの巨匠イオセリアーニの新作。パリを舞台に、一癖も二癖もある風変り登場人物たちが時に絡み合いながら織りなす“喜劇”と“人間賛歌”。「主題があまりにもシリアスなので、シリアスに撮ることができない類の人間喜劇」(イオセリアーニ)でることの度合いは近作よりさらに増し、人間の不寛容さとそれでも明日は来るという楽天性が同居した豊饒な味わいを堪能すべし。