MICHITA
北の職人が3枚同時リリース! さらに……

 実は88年にDJ活動を始めていたという大ヴェテランで、Nujabes以降の流れを汲む格好で2008年にLibyusから初のアルバム『ONE』を発表して以来、コンスタントな音源リリースと共に着実な支持を得てきた北海道在住のトラックメイカー、MICHITA。登場時はTHA BLUE HERBやMIC JACK PRODUCTIONなど北海道の系譜を継ぐ存在と目され、プロデューサーとしてもB.I.G JOE“COME CLEAN”(2008年)やZONE THE DARKNESSの名曲“奮エテ眠レ”(2010年)を筆頭に、近年もGADOROやacharu、TKda黒ぶち、剛斗(別掲の新作『二十五念』に収録の“背景”)らにビートを提供してきている。そんな彼がデビュー10年のタイミングで新作を3枚同時リリースした(いずれもアートワークを手掛けたのは『ONE』からの縁となるPopy Oilだ)。

MICHITA Forestallmental VYBE(2018)

MICHITA Profound VYBE(2018)

MICHITA Absolute Difference(Deluxe Edition) VYBE(2018)

 そのうち2枚はインスト・アルバムで、知床に住んでいた頃に多くを手掛けたという『Forestallmental』、比較的ネタ感の強めなトラックも含む『Profound』のいずれも、美麗なストリングスやピアノをキーにしたメロディアスな仕上がり。雪原や大空など北の大自然に対するイメージも許容してくれる懐の深い楽曲が並んでいる。そしてもう一作は、全曲にMCを迎えた2017年の配信作『Absolute Difference』をインスト盤付きの〈Deluxe Edition〉としてCD化したもの。B.I.G JOEとの“さむがりやのBAD MAN”をはじめ、MACSSY、MOUTHPEACE、TKda黒ぶち、崇勲、GOMESS、唾奇ら世代を超えた顔ぶれが並んでいる。

 

SeiyaOrikasa Words Mine, luving to Rappin' AmbrellaMusic.(2018)

 さらに、同作にも名を連ねる札幌の新進ラッパー、SeiyaOrikasaの初アルバム『Words Mine, luving to Rappin'』も全曲がMICHITAプロデュース! もともとMICHITAの曲を聴いてラップを始めたらしく、往時のhaiiro de rossiも想起させるリリカルなマイク捌きとの相性も抜群だ。こちらも併せてチェックしていただきたい。