これまでポーター・ロビンソンやティエストに楽曲がフックアップされ、一部では注目を集めながらも自主リリース活動のために大きなブレイクを逃していたフランスのエレクトロニック・プロデューサー、アッパーモスト。昨年の総決算的編集盤『Origins(2011-2016)』を区切りに心機一転、パリの新興レーベル、クロネコと契約して完成させたのが本作だ。フレンチらしいエレクトロ・サウンドを軸に、テン年代的な感性で昨今のトラップやベース・ミュージックをフラットに取り込んだ音楽性は、ダフト・パンクとブリアルに影響を受けて活動を始めたという彼らしい、実に多彩なもの。アトモスフェリックでメロウなトラップ“The Brightest Light”、王道エレクトロの“Focus”、続くドリーミーな“Step By Step”、エモさ極まる“Where Your Heart Goes”、多幸系エレクトロ“Better Days Ahead”、スロウで感動的なミディアム・ディスコ“Healing”など、シングル・カット可能なキラーがギッシリ。