7月25日に待望のアルバム『STAR OF WISH』をリリースするEXILE。タワーレコードではこれを記念して全16種類の〈別冊tower+〉を発行。このページでは、同誌中面に掲載されたEXILE TAKAHIROEXILE ATSUSHIへのインタヴューを特別掲載いたします。
※別冊tower+の配布開始時間は店舗によって異なります。
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EXILE STAR OF WISH rhythm zone(2018)

――2018年、再始動をしてから約半年近くが経ちますが、現在どういう気持ちでEXILEの活動に臨んでいるでしょうか。

EXILE TAKAHIRO(以下 TA)「EXILEの再始動にあたって、ファンの皆さんもすごく期待して待ってくださっているのを感じていました。2017年に初めて開催したファンクラブイベント(“EXILE TRIBE FAMILY FAN CLUB EVENT 2017-2018 TAKAHIRO道の駅”)で、ファンの皆さんと頻繁に直接お会いする機会があったのですが、その時も再始動への期待は肌身で実感していたので、僕自身もEXILEが動き出すことをすごく楽しみにしていました。

メンバー会議ではファンの皆さんの期待にどう応えていくかということもいろいろ話し合って、その結果、2月から6ヵ月連続で毎月第一金曜日に配信リリースをさせてもらったり、リリックビデオをメンバーが手がけたり、常にEXILEが盛り上がっていることを感じて、楽しんでもらえるように取り組んできました。

久しぶりのオリジナルアルバムをリリースするということで、丁寧に作り上げましたし、大人になったEXILEのさらに進化した姿を楽しんでいただけるかなと思います」

――EXILEとは改めてどういうグループだと思いますか?

EXILE ATSUSHI(以下 AT)「ひと言でいうと〈奇跡的なグループ〉だと思います。変化の激しい音楽シーンでこれだけ長く戦っていられるということは、ありがたいことだなと思いますし、形を変化させながら約18年を迎えた今でもドームツアーができることは、客観的にみてもなかなかいないグループだな、と」

――2001年に初代J Soul BrothersからEXILEになって、現在まで約18年。その間いろいろなことがあったと思いますが、大きなターニングポイントはどこだったと思いますか?

AT「ターニングポイントは結構あるんですが、個人的には、やはりメンバーが変わる時は大きいですよね。SHUNちゃんが辞めた時、AKIRAとTAKAHIROが加入した時、それから14人になった時は、初めて逆境に立ち向かっていく感覚がありました。自分たちで決めたことだから、自分たちでちゃんと証明しないといけないという気持ちでツアーに臨んだ思い出があります。あとは、HIROさんとまっちゃん(松本利夫)、うっさん(ÜSA)、マキさん(MAKIDAI)が勇退した時もそうです。メンバーが変わる時は節目であり、毎回がすごい挑戦だったなと思います」

――EXILE結成当時からのオリジナルメンバーはATSUSHIさんだけになりました。何か意識することはありますか?

AT「逆に意識しないようにしているというか、オリジナルだからどうというよりは、今のEXILEのあるべき姿をいちばんに追い求めるようにしています。もちろん、〈この時代がよかったな〉と思われる方もいらっしゃると思いますが、僕たちとしては今がいちばんかっこいいという考えで活動しています。

HIROさんが勇退される時に、〈HIROさんがEXILEを抜けるんじゃなくて、EXILEがHIROさんを卒業する時期なんだ〉とずっと言い続けていました。こんなことを言ったらHIROさんが寂しがるかもしれないですけど(笑)、今回のEXI LE THE SECONDのツアーファイナル(EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2017-2018 “ROUTE 6・6” THE FINAL)でのEXILEのパフォーマンスが本当の意味での“再始動”だったように思います。

僕とTAKAHIRO以外はみんな兼任しているので、それぞれがそれぞれのやり方で努力を重ね、〈for EXILE〉の精神でやってきて、あの日EXILEとして再び集まってお客さんの前でパフォーマンスをすることになった時、自分たちから率先して〈2年半ぶりの復活なので、“Rising Sun”で登場して、新曲を2曲やりたい〉と提案させてもらったんです。その時、HIROさんの勇退された真意が初めてわかったような気がしました。5年越しにその意味がやっと理解できて、ここからまたスタートなんだと改めて感じています。

今みたいな話は、世界や(佐藤)大樹のような若いメンバーにはあまり実感できないかもしれませんが、僕はそれでいいと思っていて、彼らにはEXILEでパフォーマンスできることの喜びを感じていて欲しいですし、“for EXILE”という共通の精神があれば大丈夫だと思っています」

――休止していた2年間はどういう時間でしたか?

TA「今までできなかったことに挑戦させてもらえる時間だったと思います。僕自身、スランプに陥っている感覚があって、それまで約10年近くEXILEの活動を行ってきて、0から1を生み出す作業にだんだん時間を費やすようになってしまい、余裕がなくなっていました。時間的にも精神的にも余裕がなくなって、自分が不得意だと思っている楽曲との向き合い方だったり、レコーディングした作品をライヴで再現しなければいけないプレッシャーだったり、どこに重きを置いて歌をうたっていけばいいのかわからなくなって自由な表現ができなくなってしまって。その状況から抜け出そうとして、答えが分からずにただぐるぐると走り回っている。休止前の僕は正直そんな感じでした。

そこでもがかずにただこなしてしまっていたら今がなかったので、それは通るべき道だったと思いますし、必要なことだったと思っていますが、そういう時期にEXILEが活動休止を迎えたので、自然な流れでこれまでのことを振り返ることができたことは大きかったですね。

個人的にはインプットの時間と位置付けて、気分をリフレッシュさせたことで制作にもいい影響が出ましたし、ゆったりとした時間の中で自分が作ってみたいと思える楽曲を制作できて、とても良い時間を過ごすことができました。ファンクラブイベントでファンの皆さんと直接会って向き合えたことも、改めて自分の原点を見つめ直すというか、前に向かっていく気持ちにさせてくれたので、すごくいい経験になりました。待ってくださっている皆さんには、寂しい思いをさせてしまいましたが、アーティストとしてひとりの表現者として、意味のある時間でしたし、自信に繋がったので、そうしたすべてをEXILEに還元したいと思っています」

――7月25日には待望のオリジナルアルバムがリリースされます。『STAR OF WISH』というタイトルが付けられていますが、そこにはどういう意味が込められているのですか?

AT「再始動をするにあたってHIROさんとテーマを話し合った時、実は結構迷いました。“EXILE PRIDE”や“19 ‒Road to AMAZING WORLD-”など、2013年以降はEXILEの生き様のようなものがコンセプトになることが多かった気がしています。一方で、“THEMONSTER”や“FANTASY”のように、EXILEが駆け上がっていく時期はある種の“ロマン”があったので、その“ロマン”をここでもう一度感じたいと思ったんです。〈僕らはこうなんです〉〈EXILE PRIDEはここにあります〉と主張することも必要なんですけど、今回は客観的にロマンを感じられるものにしたほうがいいんじゃないのかな、と。

自分たちで言うのはおこがましいですが、EXILE TRIBEにおいてEXILEはスター軍団であるべきだと思うんです。そこを表現するには〈オールスター〉と言っていくべきだし、そんなことを考えていくうちに、〈【星】がテーマだといいよね〉ということになり、『STAR OF WISH』という言葉が浮かんできました。星というのは、誰もがロマンを持てるものですし、夢を託せるものです。地球もひとつの星ですし、そこから大きなテーマとして人類愛にも繋がっていけばいいなと思っています」

TA「この2年間、みんなが〈スター〉になるうえで有意義な時間を過ごしてきました。再びEXILEとして戻ってきて、あの頃よりも輝けるようになったという意味合いも『STAR OF WISH』には込められていますし、過去に“TOWER OF WISH”というテーマでアルバムやツアーも行ったことがあるので、そうやって物語が続いて、未来へと繋がっていくことも含めて、すごくEXILEらしいテーマになっているなと思います」

――楽曲制作はどのような形で行ったのですか?

AT「往年のEXILEっぽさを表現してくださるT.Kuraさんや“ただ…逢いたくて”を書いてくださった春川仁志さんもいらっしゃいますが、フレキシブルにアルバムの中でのバランスなども考えて、いろんな方の楽曲を取り入れながら、アルバム作りをしました。

あと、曲作りをする時は、必ずツアーをイメージしています。作詞をする時にも、目の前にお客さんがいて歌っている姿を想像しますし、僕らにはパフォーマーがいるので、〈ツアーのオープニングでこういう曲があるといいな〉〈盛り上がるところでこういう曲が欲しいな〉といった感じで、常に映像になることをイメージしながら楽曲を作っています。

僕らのゴールは、やっぱりライヴです。ヴォーカルとパフォーマーがいて、お客さんの前でパフォーマンスすることが当たり前なので、ライヴで表現できないなら、楽曲を作っている意味がないといっても過言ではありません。その考えが最初の頃からずっとあるので、〈ライヴでこういう曲が欲しいな、だから◯◯さんにお願いしよう〉ということもありますし、流行っている音楽がということよりも、目的意識を持って、楽曲を制作しています。今回で言えばEXILEの復活感を意識して“PARTY ALL NIGHT ~STAR OF WISH~”を作りました。いずれにしても、ライヴをイメージすることで作品が洗練されていくような気がします」

――ATSUSHIさんにとっても、ソロとグループがあることは、お互い良い影響を及ぼし合っていますか?

AT「そうですね。常にいい作用を生んでいると思います。例えばソロの時には、EXILEで学んだエンタテインメント感を入れて華やかさを生むことができますし、EXILEではエンタテインメントに偏り過ぎることなく、ソロで培ったニュアンスを入れることによって更なる音楽性を足していくこともできる。ソロの活動ではヴォーカリストとして学んだことも多かったですし、学んだことをEXILEで表現する機会にも恵まれていると思います。アップテンポの楽曲、例えば“Rising Sun”で泣けて感動できることってソロだとなかなかないので、ソロとグループがあることでお互い良い影響を与え合っていることは間違いありません」

――新曲についても伺いたいのですが、“Heads or Tails”も非常にかっこいい曲ですね。

AT「ありがとうございます。“24Karats”のような、EXILEの激しい部分を表現した1曲になっていて、『HiGH&LOW』とのコラボレーションで日清さんのCMソングにもしていただいて、男らしさが表現されたライヴをイメージしやすい曲となっています」

TA「EXILEの王道のゴリっとした雰囲気がありながら、またひとつEXILEのパンチラインができたかなと思います。“24karats GOLD SOUL”などを作ってくださったSTYさんに作詞も作曲も手がけていただいたんですけど、僕としては過去イチの盛り上がり曲ができたと思っています」

――MVも男性ファンの皆さんが参加されて、すごかったです。そのMVの撮影がEXILE再始動後の初めてのパフォーマンスだったそうですね。

AT「新生EXILEとして、今までにやったことのないことに挑戦しようということで、〈今の男らしいEXILEを見てもらうことは必要なことかも〉という話から、あのような男性限定のライヴ形式での熱いパフォーマンスになりました。ファンの皆さんの前でのパフォーマンスということもあって、パフォーマーも相当気合いが入ったのか、湧き上がってくるパワーを表現していましたし、そんな姿を見てヴォーカルも気合が入りました。ファンの皆さんも盛り上げてくれて、そういう意味では1発目のMVであり久々のパフォーマンスがあの形式でよかったなと思います」

TA「ファンクラブの男性の方々に参加していただいて、本当に男祭りのようなMV現場でした。そういう雰囲気がすごくビリビリきて、怒号のような声援が心地よかったです。もちろん女性のキャーという歓声もものすごく気持ちいいのですが(笑)。MV撮影も含め、EXILEが今一度男らしくなる思い出がたくさん詰まったお気に入りの楽曲になりました。メロディも歌詞もトリッキーながらも芯を食っている感じが、すごくいいバランスの一曲になっていると思います」

――いよいよEXILEが本格的に再始動するわけですが、今後はどのような目標を持って進んでいこうと思われていますか?

AT「決してEXILEという看板に甘んじているつもりはないですし、EXILEをもう一回盛り上げたいという想いしかないです。“STAR OF WISH”というテーマのもと、最高のアルバムを作ったので、次は最高のライヴを作り上げるしかないと思っています。まずはドームツアーを完全にやり切って、そうしたらまた次の目標が見えてくるのかなという感じですね」

TA「これまではEXILEという看板に対するプレッシャーが相当あったんですけど、休止期間があったことで、いい意味で考え方もリフレッシュされました。EXILEという枠だけの中で頑張るのではなく、自分自身があらゆるフィールドで頑張って努力して輝きを身につけたら、それがまたEXILEを輝かせることにもなると気づいたんです。そう思えたことで、発想が柔軟になったというか、EXILEにしがみつくのではなく、EXILEを楽しんでみようと思えるようになりました。

いい意味でEXILEに対しての向き合い方が変わったことで、別方向からEXILEのありがたみや看板の大きさに気づけたので、今まででいちばん自由で、いちばん楽しんで向き合えている実感があります」

――そして、秋からは待望のツアーが始まります。改めてツアーへの意気込みを聞かせてください。

AT「『STAR OF WISH』というテーマのもと、ロマンを感じられるようなツアーになるので、これまでにない新しいEXILEをお見せすることができると思います。その一方で、決して新し過ぎないというか、EXILEっぽさをしっかりと感じていただけるパフォーマンスにもするつもりです。2年半の間にそれぞれが最前線で頑張ってきたメンバーが集結するので、本当の意味での〈オールスター感謝祭〉のようになると思います。皆さんへの感謝をしっかりと伝えていきたいです」

TA「EXILEが勢揃いするわけなので、EXILEならではの迫力やエンタテインメントをしっかりとお届けするツアーにしたいと思っています。各々が2年半の間で培ってきたオーラや表現者としての武器を携えてくるので、メンバー同士でお互い切磋琢磨しながら、ツアー中もグッと結束力が固まっていけばいいですね。なので、ファンの皆さんも、ぜひ見逃さないでください。僕自身としては、EXILEでのツアーは久しぶりなので、カッコつけて立っていられるかちょっと心配です(笑)。いざステージに立ったら照れちゃってニヤニヤしてしまうかも。というのは、冗談だとして、とにかく楽しみです。自分らしく臨みたいと思います!」