どこまでもドラマティックに魅せる充実の内容! 登坂広臣ならではの表現力を感じ取ることができる、壮大な物語

登坂広臣といえば、三代目 J Soul Brothersのボーカリストとしてだけではなく、俳優としても評価され、着実にその表現力の幅を広げている気鋭のアーティストたる存在。以前、三代目 J Soul Brothers オリジナル・アルバム『FUTURE』で発表した自身のソロ作では、世界のダンス・フロアを牽引し続けてきたアフロジャックが全編のプロデュースを手がけており、登坂の表現力を120%引き出した内容が話題になった。

HIROOMI TOSAKA (登坂広臣) FULL MOON rhythm zone(2018)

今回、いよいよヴェールを脱ぐフル・コンプリート作品『FULL MOON』。壮大な物語の幕開けを感じさせるイントロダクションを聴けば、これからどんなストーリーが展開されるのかとスリリングな気持ちを覚えるはずだ。特に、表題曲の“FULL MOON”はミステリアスな雰囲気を装いつつも狂おしく響くラブソングであり、本作のトーンを印象付けるのに十分。

“WASTED LOVE”や、CRAZYBOYとの“LUXE / HIROOMI TOSAKA feat. CRAZYBOY”といった、ダンス・トラックを華麗に操るハイブリッドな楽曲、フィーチャリング相手にアフロジャックの名前を記した“HEY / HIROOMI TOSAKA feat. Afrojack ”や、前向きなメッセージに溢れた“HEART of GOLD”などのアップテンポなポップ・ナンバー群は、どれも『FULL MOON』の物語のスパイスとなる。

そして、ドラマティックなハイライトの一つとなるのが、BENIを迎えた“One Last Time / HIROOMI TOSAKA feat. BENI”だろう。二人のボーカルの息もあった、大人の色気も漂うミディアム・チューンに仕上がりに。一方、もう一つのハイライトは物語のクライマックスを予感させる“END of LINE”。ピアノの音色が印象的なスロウ・バラードは、歌詞の内容からも登坂の葛藤や希望が垣間見れる佳曲だ。

『FULL MOON』全体を通して、三代目 J Soul Brothers作品よりもずっとパーソナルなヴァイブスの歌詞が多いと感じるのは気のせいだろうか。登坂もまた、本作のリリースに合わせてアルバムと同じ名前を冠したソロ・ツアーをスタートさせる。アルバムで描かれたストーリーが舞台の上に落とし込まれる様子も楽しみだ。