J・A・シーザーと悪魔の家によるファースト・アルバムがこの2018年にリリースされるという異様な事態こそシーザーがシーザーたる所以かもしれない。ライヴの編集盤だった73年の『國境巡禮歌』が悪魔の家の唯一のアルバムと称されていたが、45年の歳月を経て待望のスタジオ・アルバムが誕生する。近年のライヴでも演奏され、ファン投票によって選ばれた珠玉のシーザー・オリジナル楽曲が〈現在の覇気〉そのままに音質の洗練さを獲得して手に入るのは歓喜の極み。『國境巡禮歌』も手がけた及川正通が再びジャケットを担当。ジャケ左下にチョコンと居る名残りが往年のファンを擽る。