ヌーヴェルヴァーグ〈左岸派〉の映画作家アニエス・ヴァルダは惜しくも今年3月90歳でこの世を去ったが、ヴァルダが87歳の時に撮ったドキュメンタリーが本作だ。33歳の写真家JRと共にフランスの村々をめぐり、そこで出会った人々の写真を引き伸ばし〈写真グラフィティ〉として家屋やコンテナなどに貼っていく様を捉えた旅の記録。その旅の終点はスイスに住む盟友ゴダール宅への訪問となるのだが、その結末はご自身でご確認いただけたらと思う。JR、ゴダール、そして本作の字幕翻訳を担当した故・寺尾次郎氏と、黒眼鏡のイメージと共に忘れがたい一作である。
アニエス・ヴァルダ 「顔たち、ところどころ」 ヌーヴェルヴァーグ〈左岸派〉の映画作家が撮った、ある旅の記録
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映画/映像